ニュース

サッカー日本代表、コロンビア対策より大事なものは?ザッケローニ監督がW杯語る

2013年12月16日 19時25分 JST | 更新 2014年02月06日 01時57分 JST
Taichiro Yoshino

サッカー日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督が12月16日、日本記者クラブで記者会見し、1次リーグの組み合わせが決まった2014年6月のサッカーFIFAワールドカップ(W杯)・ブラジル大会の展望や、日本代表を率いて3年たった時点での印象などを語った。

■コロンビア対策は難しい

ザッケローニ監督は日本が組み入れられた1次リーグC組の各チームについて、要注意の相手として、シードのコロンビアと主力のFWファルカオ(イタリア・モナコ)の名前を真っ先に挙げた。

コロンビア対策は難しくなる。南米の地の利も受けて優勝候補の一つになるのではないかと感じている。ファルカオだけでなく、ほとんどの代表選手はヨーロッパのビッグクラブで日々トレーニングしている。20歳以下でもいいタレントがそろっていると聞いているので、W杯のA代表に入ってくるのではないか。また相手の監督は非常に選手を成長させるのが得意とされている。ベンチも多彩なメンバーがそろっている。試合の流れによって戦い方を変えたり、柔軟に対応してくると思う。多様な選手をベンチに置くことで試合の中でシステムをいじるなどのチームに仕上がってくるだろう。非常に力のある、実力のあるチームだろうと思っている。

ギリシャに関して派手さ、ビッグネームはない。しかし非常に中身がある。とにかく相手のミスにつけ込んでくるサッカーをしてくる。団結力に非常に長けていて、相手の良さを殺す特徴のあるチームだ。ここで我々が絶対に犯していけないミスは、ビッグネームがいないとみて過小評価すること。冷静に見てもヨーロッパの力のあるクラブでそれぞれのメンバーがやっている。時にこうしたビッグネームを擁さないチームとやる時の方が難しい。常にチームのパフォーマンスが安定しているし、団結力もある、チームの狙い、コンセプトも明確さも持っているので、対戦する時の難しさも出てくると思う。

コートジボワールとは、ギリシャとは今言った意味で真逆のチームという印象を持っている。個のタレントは能力が高いし、暑さに慣れているのでブラジルでの戦いには有利ではないか。フィジカルも非常に高いというところで、そこにまとまりがなくなる可能性もでてくる。しかしアフリカ大陸ナンバーワン、それぐらいの力を持っているということは認識しなければならない。

(選手で言えば)まず1番は36歳ではあるがドログバ。チェルシーでのチャンピオンズリーグ優勝も経験しているし、経験も技術もフィジカルもあり、パーソナリティーも持っている。先日もテレビを通じて、現在彼が所属しているガラタサライとユベントスの試合を見た。私はユベントスが力があると感じていたが、ドログバの決定的なプレーで試合が決まった。もう1人にヤヤ・トゥーレというマンチェスター・シティーでプレーしている選手が、MFで攻撃陣と守備陣のつなぎ役として活躍している。2人は世界レベルでも非常に能力が高い。

■コンディション管理に腐心

ブラジルW杯は「一国での開催というより、一大陸での開催のような」(ザッケローニ監督)大会となる。初戦の試合時間が現地時間の午後10時開始に変更されるなど、暑さ対策など選手のコンディション管理に神経をとがらせていることがうかがえた。

このような条件の大会は私も実はほぼ初めて。時期的にはコンフェデ杯(2012年6月にブラジルで開催されたコンフェデレーションズカップ)と同じ時期なので、経験を最大限生かして進めたい。気候や移動は経験を生かしながら対応していくしかない。いくつかのアイデアは持っていたが、抽選前に想定したことや考えていたことを修正しなければいけないことが出てくる。いまはその段階にある。ただ、コンフェデ杯の経験を得られたことは非常にラッキーだった。

情報では(午後10時でも)湿度はそんなに下がらないと聞いている。試合時間こそずれたが、選手や試合のパフォーマンスが向上することはほとんどないと思っている。時間帯が変わったのでチームのスケジュールを変更しないといけない。人間は夜は疲れるものなので、普段よりベッドにいる時間を延ばそうかと思っている。

■1次リーグ突破なら「ほぼ100%イタリアと戦う」

1次リーグを勝ち上がった場合、決勝トーナメント初戦でD組を勝ち上がったイタリアと対戦する可能性も出てくる。母国と対戦することは意義深いのでは?と問われたザッケローニ監督は「それもあくまであるチームとの試合」とした上で、2012年6月のブラジル・コンフェデ杯でイタリアに3-4で惜敗した悔しさをにじませた。

まず、グループリーグ(1次リーグ)を突破できれば、ほぼ100%の可能性でイタリアとの対戦が実現するだろう。(コンフェデ杯のイタリア戦は)試合後は悔しい思いがあったし、内容で優っていたと思った。ここ50年ぐらい、ほとんどのイタリア代表の試合を見ているが、あれほどイタリアが苦しめられた試合はほとんど記憶にない。私はイタリア人だが、あの試合に勝てなかったことは非常に悔しい思いを持っている。ただ、我々の目標はイタリアに勝つことではなく、できるだけ駒を前に進めること。集中していきたい。

■代表候補は63人

焦点となる23人のW杯代表選手は、11月の欧州遠征で新たな選手を試したことをあげ、過去に呼ばれた経験にとらわれず積極的に登用する方針を示した。

8人のテクニカルスタッフがいるので、国内、海外にかかわらず視察して、コンディションがいい選手を選んでいきたい。ここ最近でも選手の入れ替えは積極的におこなってきた。チームが成長するいい効果をもたらすならば変化を恐れずに入れていきたい。なのでこれまで呼ばれた選手だけの監督ではない。ここ数日何度も言ってきたが、63人の候補がいる。重点的に視察を進めている。63人以外にも強烈アピールする選手がいれば報告するようにと言っている。

■「日本の守備文化、非常にいいレベル」

日本代表がいつ世界一になれるのか?と問われたザッケローニ監督は、「チーム形成の得意な人間ばかり集まっている。これほど短期間でいいチームワークを形成するチームは見たことがない」と称賛した上で、次のように述べた。

コロンビアの監督も同じこといっていたが、日本は世界レベルで見ても急激に成長している。日本人の選手の学ぶ姿勢、やろうとする姿勢は特筆すべきものがある。それこそが成長するいちばんの要因になっており、他の国よりも図抜けている。私が就任前から成長は実感していたが、2050年までに世界一になるという日本サッカー協会の目標、それよりも前に世界一を取れる可能性がある。たとえばどういった若い選手がプロとして大成するのかを考えると、コンスタントに成長する選手だ。代表も常に成長したところが大成するのではないかと感じている。日本人は向上心を持った代表選手がいるということを誇りに持ったほうがいい。

世界一の可能性が2014年に早まる可能性はないのか?と問われた監督は、笑って答えた。

私は宣言するタイプでも、約束するタイプでもない。就任時に日本サッカー協会から依頼されたことをまっとうする。つまり日本サッカー全体を成長させることに集中していきたい。私の仕事の成果が見られるのはおそらく2014年以降のことになる。一個人としても志を高く持つように行動しているが、自分が守りに入ってしまった時点でチームもそういった状況に陥るし、志は高く持ちたい。彼らには高い要求をしていく。より高い目標を達成できるのではないか。

守備を重視するイタリアサッカーの伝統から「日本のサッカーは守備の意識が低いのではないか」と問われたザッケローニ監督は、以下のように答えた。

まずサッカーは大きく2つ。守ることと攻めることだ。ある国は攻撃、イタリアは守備から入ろうという哲学を持っている。ただ自分の持っている考えは、真実は中間にある。同様のレベルで攻撃、守りを考えないといけない。なので大切なことは守備と攻撃に分けて考えるのではなく、攻撃をしながら守備のことを考え、守備をしながらどう攻撃に移るか。だから自分はイタリア人とはかけ離れた考えだ。1ー0より3ー2で勝つのがいい。だから日本代表も1点でも多く取って勝とうとしている。私が思うにサポーターは結果も大事だが内容、エンターテイメントを楽しみたいと思ってスタジアムに来るだろう。Jリーグや、日本の守備文化は非常にいいレベルにきているのではないか。

サッカー 日本代表 VS ベルギー代表 国際親善試合
サッカー親善試合 日本対オランダ 2013年11月16日