ニュース

ビッグデータ活用のために法改正へ 欧米企業参入への対応も論点に

2013年12月23日 15時42分 JST | 更新 2014年01月10日 22時28分 JST
首相官邸

ビッグデータを活用するために、法律が改正される――。

膨大な個人情報が含まれる「ビッグデータ」について、匿名性が高い情報であれば、本人の同意がなくても第三者に提供できるようにするよう、政府は個人情報保護法の改正を進めるとした。ビジネスで積極的に活用できるようにするためだ。NHKニュースが報じている。

「ビッグデータ」は、ホームページの閲覧履歴や携帯電話の位置情報など、インターネット上などに蓄積された膨大な電子情報で、本人に無断で第三者に提供することは個人情報保護法で禁じられています。

 

こうしたなか、政府のIT総合戦略本部は、「ビッグデータ」をビジネスに利用する動きが広がっていることから、より活用しやすい環境を整備するため、個人が特定されないよう処理した匿名性の高いデータは、本人の同意がなくても第三者に提供できるよう制度を見直す方針を決めました。

 
(NHKニュース「政府 ビッグデータ活用で法改正へ NHKニュース」より 2013/12/23 04:09)

■ビッグデータ活用で生じていた「特定個人を識別できる」問題

JR東日本は今年7月、Suicaの利用データを日立に提供していたことで、大きく批判を浴びた。提供していたデータは乗降駅、利用日時、利用額、年齢、性別などであったため、JR東日本は特定の個人を識別できる「個人情報」にはあたらないとしていたが、事前に利用者の同意を得ていなかったことが「気持ち悪い」といった反感につながった。

Suicaには固有のIDがあるが、今回はSuicaのIDをそのまま渡すのではなく、異なるIDを振り直したと説明。そのIDごとに、乗車履歴年齢、性別のデータが分かる状態のデータを販売しているという。たとえば「No.0001:20歳の女性、7月7日10時10分にA駅で乗車、7月7日11時10分にB駅で下車、7月8日8時0分にC駅で乗車……」といった形のデータにまとまっているわけだ。

 

「SuicaのIDにはひも付いていないから、個人が特定できるようにはなっていない。つまり、個人を特定できないので、(販売しているデータは)個人情報に当たらない」(広報部)

 

(Business Media 誠「ビッグデータとプライバシー:Suica利用履歴販売、JR東は「個人情報に当たらない」との見解」より 2013/07/19 22:22)

しかし、Twitterなどの投稿情報と突き合わせると、誰であるのかが特定できるのではないかとする意見も出ており、JR東日本は「他のデータと紐づけたり、提供データから個人を特定する行為は契約で厳格に禁止している」と説明していた。

■検討されるとされる内容は

これらのトラブルを受け、改正案ではビッグデータを利用する企業は、データを匿名化状態のまま管理・利用し、データから特定個人を識別する事はしないことなどが必要との意見が出ていた。

法改正では、個人情報の範囲を広げる。単独では特定の個人と結びつかない情報でも、ほかの情報と照らし合わせて実質的に結びつくようであれば、保護される対象にする見通しだ。

 

また、個人情報のうち、信用情報や治療履歴などプライバシー性が高い情報と、それ以外の情報とで扱いを分け、それぞれに利用ルールを定める方向だ。制度の運用を確実にするため、罰則を科す権限を持つ第三者機関を設ける。

 

朝日新聞デジタル「ビッグデータ利用へルール整備 政府、個人情報に配慮」より 2013/11/23 10:48)

■国際的なビッグデータ活用による、欧米企業の参入も論点に

政府がビッグデータの活用整備に急ぐ理由の一つには、日本企業がビッグデータビジネスへの参入に不利だという状態がある。総務省の報告書によると、日本はパーソナルデータの保護に対する対策が十分に行われていないと見られているため、アメリカやEUのパーソナルデータが利用できないという状態になっているのだ。

そのため今後の議論では、個人情報データの保護を十分に確保しつつも、データ開示をどこまですすめるかも、議論の一つになる。場合によっては、海外企業が日本国内のビッグデータを利用できるようになるのに対し、EUやアメリカのビッグデータを日本企業ができないままという状態もうまれかねない。国内のビッグデータをどのように国内に留め置く措置を講ずるのかも、注目すべき議論のポイントだ。

【※】ビッグデータに対する個人情報保護と国際的な活用のあり方について、あなたはどのように考えますか。ご意見をお寄せください。

関連記事

「Twitterの2013年」と「ゴールデンツイート」