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陸自の銃弾1万発、韓国軍に提供 安倍政権の狙いは?

2013年12月23日 19時19分 JST | 更新 2013年12月23日 19時19分 JST
Bloomberg via Getty Images
Itsunori Onodera, Japan's newly appointed defense minister, speaks during a news conference at the prime minister's official residence in Tokyo, Japan, on Thursday, Dec. 27, 2012. Japan's parliament confirmed Shinzo Abe as the nation's seventh prime minister in six years, returning him to the office he left in 2007 after his party regained power in a landslide election victory last week. Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg via Getty Images

日本が他国軍に武器を提供することになる――。

政府は12月23日、国家安全保障会議(日本版NSC)の4大臣会合を開き、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加している韓国軍に対して、陸上自衛隊の銃弾およそ1万発を提供する方針を固めた。国連平和維持活動協力法(PKO協力法)に基づいて対応する。PKO協力法に基づいて日本が国連を通じて他国軍隊に武器を提供するのは初めて。従来の政府方針とは異なり、武器輸出三原則の例外としたことで、議論を呼びそうだ。時事ドットコムが報じた。

政府は23日、首相公邸で緊急の国家安全保障会議(日本版NSC)4大臣会合を開き、国連南スーダン派遣団(UNMISS)に参加している韓国軍の要請を受け、陸上自衛隊の銃弾を国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき国連を通じて提供する方針を決めた。PKO協力法に基づき国連に武器が提供されるのは初めて。



(時事ドットコム「韓国に銃弾提供=南スーダン、PKOで初-政府」より 2013/12/23 13:26)

南スーダンはアフリカ大陸の中央部に位置しており、長年に渡る南北の内戦凍結後、2011年7月9日に独立を果たした。しかし、独立後も依然として民族対立が続いており、12月15日には首都ジュバにおいて、国内部族同士による戦闘が起きた。

この戦闘はマシャール前副大統領が率いる部隊が、現キール大統領政権に対するクーデターを試みたものと報じられており、その後、各地に戦闘が飛び火している。

戦闘の激化に伴い、ジュバに舞台を展開していた韓国軍は防御力を強化。現地に派遣されている日本の自衛隊に対し、銃弾の提供を要求した

これをうけて日本政府はNSCを開催して緊急協議した結果、これまで武器の輸出を禁じていた武器輸出三原則の例外措置として、銃弾提供を決定したとされる。PKO協力法では、物資協力は可能であるが、弾薬は武器輸出三原則の関係もあり禁止対象物品とされている。政府は過去に国会でも、国連への武器や弾薬の提供は「含めない」という見解を示し、「国連側からそういった要請があると想定しておらず、仮にあったとしても断る」などと答弁しており、従来の政府方針との整合性が問われそうだ。小野寺防衛大臣はNHKの取材に対し、次のように述べている。

「『弾薬』の提供ということで、これまでの想定を超える内容なのは事実だ。現地の状況と人道的な問題、そして緊急性を考え合わせ、国家安全保障会議で方向性を出し、法的な問題を整理して対応した」と述べました。

そのうえで小野寺大臣は、「弾薬の提供によって、自衛隊の弾薬が不足するような状況ではない。現在自衛隊が活動している首都のジュバは、北部の地方都市のような状況には至っていないが、現地との情報交換をしながら、安全について細心の注意を払いたい」と述べました。

(NHKニュース「銃弾提供を決定 政府「例外措置」と説明」より 2013/12/23 19:07)

今回、なぜ提供を決めたのか。政府は「一刻を争う緊急事態であり、緊急性・人道性が高い」と判断したと説明。「武器輸出三原則」の例外措置として実施したなどとする、菅官房長官の談話を発表する予定だ。

政府は提供理由として(1)現地で韓国軍と同型の弾薬は自衛隊しか保有していない(2)隊員や避難民の安全確保のため一刻を争う-としている。弾薬は十分な備蓄があり、自衛隊の活動に影響はないという。

(MSN産経ニュース「韓国軍に銃弾1万発提供 南スーダンPKO、人道・緊急性を考慮」より 2013/12/23 19:10)

緊張した日韓関係に配慮したとの見方もある。

相手国が、日本とぎくしゃくした関係が続く韓国の部隊であることも、政府の判断を後押ししたようだ。外務省幹部は23日、「韓国との関係改善に役立てばよい」と、局面打開のきっかけとなることに期待を示した。

(時事ドットコム「武器提供、曖昧な法的根拠=積極平和主義に基づき判断-南スーダンPKO」より 2013/12/23 18:25)

■「積極的平和主義」を示す狙い?

今回の措置は安倍首相が外交・安全保障の理念として掲げる「積極的平和主義」を示す狙いがあるとみられる。安倍首相は、兵器の共同開発が世界的に主流になりつつあることなどから、武器輸出の三原則を見直すとしている。武器輸出三原則に代わる新原則を協議する中で、今回の決定は影響を及ぼす可能性がある。

なお、日本政府は民主党政権時代の2010年にも、大型輸送用ヘリコプター部隊の派遣についても検討している。このときは経費や治安情勢を鑑みて見送られた経緯がある。

将来的な治安情勢が不透明で、費用も多額になることが主な理由。外務省などは国際貢献の観点からの派遣に依然、前向きで今後、防衛省の報告を踏まえて政府として派遣の是非を判断する。

 

これを踏まえて防衛省内で詳細を検討したところ、大型輸送用ヘリコプターと部隊を派遣する経費は100億円以上に上る一方で、効果は限定的と結論付けた。

 
(47NEWS「陸自ヘリ部隊の派遣は困難 スーダンPKOで防衛省」より 2010/06/18 12:36)

※政府がPKO法に基づき、陸自の銃弾1万発を韓国軍に提供することを決めたことについて、どう思いますか。皆さまのご意見お聞かせ下さい。

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