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東電向け融資5000億円を実行、大手行 追加融資は慎重姿勢

2013年12月27日 02時07分 JST
ロイター

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焦点:大手行が東電向け融資5000億円を実行、追加融資は慎重姿勢

日本政策投資銀行や三井住友銀行、みずほ銀行など大手の11金融機関は26日、東京電力<9501.T>向けの融資5000億円を実行した。

社債の発行が止まっている東電は、金融機関からの借り入れ依存を強めており、借入残高は4兆5000億円を超える。東電は今後、新たに建設する火力発電などの投資費用を、追加の借入金で賄うとみられ、金融機関に協力を求める見通しで、金融機関側の対応が注目される。

5000億円の内訳は、新規が3000億円、昨年8月に実行した融資の一部借り換え分が2000億円となっている。一般担保付の私募債のスキームとした。

融資したのは、日本政策投資銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友信託銀行のほか、日本生命保険、第一生命保険などの生保で計11金融機関。

東電と原子力損害賠償支援機構は、新たな総合特別事業計画を27日にも政府に提出するが、金融機関側は「新しい計画では、国が一歩前に出て、また東京電力もさらに改革を行うことにより、計画の実行を確実なものにするというコンセプトであり、前向きに検討」(国部毅・三井住友銀行頭取)との評価を示していた。

<新たな設備投資で発生する資金需要>

ただ、金融機関の今後の懸念材料は、東電が来年以降に求めてくると想定される新規の融資要請だ。

東電は金融機関に対して、昨年作成した総合特別事業計画に入っていた6.6兆円の投資計画から1.9兆円を削減し、重要施策向け投資に新たに振り向けると説明。柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)における新規制基準対応やスマートメーター、送配電網増強などに4000億円、国内外の戦略投資として7500億円を充てる内容だ。

ある金融機関幹部は「具体的な投資計画は示されていないが、今後、新たな資金要請が出てくるだろう」との見通しを示す。

しかし、各金融機関は、これ以上融資額を膨らませることには慎重な姿勢だ。主力の三井住友銀行は、すでに融資残高が1兆円近くに達しているほか、みずほも6000億円超、三菱東京UFJ銀も4000億円を超えている。「与信枠は上限に達している。これ以上は出せない」(大手行幹部)のが本音だ。

ただ、東電は、新鋭の火力発電所を三菱重工業など重電メーカーと合弁で建設する計画を進めており、「火力発電所のキャッシュフローに対して貸付を行うプロジェクトファイナンス方式ならば、融資は可能」(先の大手行幹部)との見方もある。東電自体の信用リスクからは切り離すことができるためだ。

しかし、発電した電気そのものは東電が買い入れることになるため、「厳密には東電のリスクから切り離されていはない」(別の大手行幹部)とする考えもあり、追加融資に応じることができるかどうか今後、慎重に検討するとみられる。[東京 26日 ロイター]

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