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議員資産公開法は穴だらけ その背景にある日本の国民性とは?

2014年01月07日 23時41分 JST | 更新 2014年01月07日 23時44分 JST
時事通信社

kyokasho

日本の議員資産公開法は穴だらけ。だがそれは国民の側にも原因がある

参議院は2014年1月6日、昨年7月の参院選で当選した参議院議員の資産を公開した。資産が最も多かったのは、自民党の渡邉美樹氏で約17億円、日本維新の会の藤巻健史氏は約7億円の資産を保有していた。報道各社の集計によると、議員1人当たりの資産は平均で3770万円になるという。

議員の資産公開は、国会議員の資産公開法に基づくもので、選挙当日の時点で所有していた資産について、本人の届け出によって公開される。ただ議員の資産公開には抜け道も多く、実際の資産状況を反映していないと指摘する声もある。

資産公開法では、本人名義の土地、定期預金、有価証券などが対象となっているが、もっとも基本的な資産である普通預金が対象に入っていない。また名義が本人でなければ、その資産について公開する必要はない。

また公開は選挙の時だけでよく、毎年公開することは義務付けられていないため、その後の資産移動については次の選挙まで追跡することができない。資産額がゼロというあり得ない報告をする議員がいるのはこのためだ。

多くの議員が選挙時に資産を少なくするよう工夫を凝らしており、この法律は事実上のザル法となっている。ちなみに金額が最多となった渡辺氏も実際には、資産管理会社などを通じて同氏が所有する外食チェーン「ワタミ」の株式を保有しており、実質的な資産総額は軽く200億円を超える。またモルガン銀行の腕利き債券ディーラーであった藤巻氏の資産が7億円というのも、引退後の個人資産運用で失敗しているのでなければ、少々考えにくい。

日本は議員など公人の資産公開に対して消極的であるとの批判がある。これは議員など公人の側がこうした民主的な手続きに積極的でないという側面もあるが、有権者の金銭に対する意識が大きく影響しているのも事実である。

米国は、公人の情報公開がもっとも進んでいる国のひとつだが、米国では選挙で選ばれた議員はもちろんのこと、一介の職業公務員まで資産を公開する必要がある。昨年日本に赴任したケネディ駐日大使の資産は約273億円だが、公開された情報では保有する債券の銘柄ひとつひとつまで記載されていた(本誌記事「ケネディ駐日大使の資産は273億円。その中身を詳細に検証してみると」参照)。

米国の場合、多額の資産を持っていることについて批判されることもあるが、そうでない場合もある。多額の資産を保有していることが、つまらない汚職や利益誘導に手を染める可能性が少ないというクリーンさの象徴としてプラスに評価される面もある。お金に対する評価が多様なのである。

だが日本の場合、資産の保有はほぼ例外なく批判的の対象となる。資産公開をしたくないという議員の気持ちも分からないではない。だが厄介なことに、こうした激しい批判が浴びせられるが故に、今度は金銭面など議員のプライバシーはもっと保護されるべきという本末転倒な議論も出てくる始末である。

民主主義の原理原則として、公金を扱う人間に対する情報公開は必要不可欠である。選挙で選んだ人物については、金銭関係を含めた事実関係についてまず受け入れ、その後、政治家としての行動で判断するという、冷静な対応が必要だろう。これが実現できないと、批判を恐れて隠そうとする政治家との不毛なイタチゴッコが永遠に続くことになる。

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