「猪瀬前知事は5000万円だが、細川護煕元首相は億単位」みんな・渡辺代表が佐川急便問題を指摘【都知事選】

東京都知事選に立候補の意向を示している細川護煕元首相に、みんなの党の渡辺喜美代表が噛みついた。12月に辞任した猪瀬直樹元知事の5000万円借入金問題と同様、細川元首相も20年前に億単位のお金を借りていたとされる佐川急便問題を指摘したのだ。
時事通信社

東京都知事選に立候補の意向を示している細川護煕元首相に、みんなの党の渡辺喜美代表が噛みついた。12月に辞任した猪瀬直樹前知事の5000万円借入金問題と同様、細川元首相も20年前に億単位のお金を借りていたとされる佐川急便問題を指摘したのだ。朝日新聞デジタルなどが報じた。

今回の都知事選は猪瀬直樹知事が5千万円を受け取ったというところから始まったが、細川護熙元首相が辞めた時は億単位だった。佐川急便から借りたのか、もらったのかよく分からないが、そういった問題で辞めた方がどういう公約をもって都知事選に臨むのか、ぜひお聞きしたい。

(朝日新聞デジタル「「猪瀬氏は5千万、細川氏は億単位」渡辺・みんな代表」より 2014/01/11 20:59)

細川元首相は総理大臣就任に就任した1993年の翌年、佐川急便からの1億円借り入れ問題を徹底追求され辞任している。借入金を返却した際の「領収書」も国会に提出しているが、印鑑も押されていない領収書であった点などは、猪瀬前知事が徳洲会からの借入金問題のときに示した借用書を彷彿させる。

野中広務委員 領収書は、御承知のように、申し上げるまでもなく、コクヨの市販されておる領収書で、名前も、だれが発行したかもわからない、判も押してない、番号もない、そんな領収書を出されてみたり、あるいは金銭出入り帳に至りましては、六十一年の九月三十一日。私は、四年目に一遍二月二十九日という日があるのは知っておりますけれども、日本の暦の上で九月の三十一日というのは全くきょうまで知らないんですけれども、こんなものが出てきたり……

(「衆議院予算委員会 議事録」より 1994/05/24)

当時、細川元首相の公設秘書であった深山正敏氏への証人喚問も行われた。

松永光委員 元金の返済関係だけれども、先ほど証人は、現金で証人が東京佐川急便に持っていって、そしてお渡しして領収書をもらってきたと、こういうふうに言いましたね。その領収書は手書きのものじゃなくして、ガチャンガチャンというようなものがあるだろう、あれは何と言うんだ、チェックライターか、チェックライターで金額は打ってあるでしょう、打ってあったでしょう。そしてその領収書は市販のものじゃなくして、東京佐川急便の飛脚のマークのついたそういう領収書だったですよ。そういう記憶はありませんか。

深山証人 私の記憶では先生と全く逆で、佐川、飛脚のマークのついたような領収書をお預かりしたことはございません。いつも手書きで、領収書の下に内入れ金とか一部金とかは書いていただきましたが、先生のおっしゃったようなものではなくて、あくまで一般に売っているものでございました。

松永光委員 なぜそれを聞くかというと、東京佐川急便にお金を払ったり、あるいは返したりして、そして領収書をもらうね、東京佐川急便と取引のある人が。たくさん領収書をもらっているのです。そのどなたの領収書を見ても金額欄はチェックライターなんだよ。そして領収書には飛脚のマークのついた、佐川のマークのついた領収書になっている。ほとんどその例外を私どもは知らぬものだから、なぜ細川さんの場合に市販のものであったのか不思議に思ったものだから聞いているのだけれども、間違いありませんね、先ほどの証言に。

深山証人 先ほど、私の記憶のとおり申し上げました。

(「衆議院予算委員会 議事録」より 1994/06/15)

これらの借入書に関して細川元首相は、次のように話していた。

細川護煕元首相 佐川急便の方に私の一億円借入にかかわる関連の資料を全部ひとつ出していただきたい、こういうことを申し上げて、そして六点セットを出していただいたわけでございます。

そして、それについて先ほどからずさんである、不備である、こういうお話がございますが、それは先ほども申し上げましたように、あちらの会社の資料でございますから私がその点について不備であるとかずさんであるとか申し上げることは借越であろうかと思いますが、私は、本当ならば私自身のところにおっしゃるように資料が残っておりましたならばこれはそれを証明するのに一番明白であろうかと思います。

しかし、根抵当権の解除もいたしましてもう領収書などを残しておく必要もございませんものですから、恐らくそういうものは残っていないのであろう、あるいは引っ越しなどをしている最中にそれがなくなってしまったのかもしれない、そのどちらかはわかりません。わかりませんが、とにかくその書類がないということで佐川側からその証拠になるような資料を出していただいて、そしてこの国会にも出させていただいているわけでございますから、その資料をもって御判断をいただきたい。しかも、その資料は、私が一億円を借入し、それを返済したという事実を証明するにそれをもって十分である、このように私は思っております。

(「衆議院予算委員会 議事録」より 1993/03/31)

なお、細川元首相と14日に会談すると言われている小泉純一郎元首相へは、渡辺代表も都知事選出馬を打診したと報じられていた。小泉元首相の「脱原発」発言が、みんなの党の政策と重なっていたからとみられる。しかし、みんなの党は否定。そのような事実はないという声明を出している。

渡辺代表は、細川元首相の脱原発政策について次のように話している。

「脱原発を目指すのはわれわれと同じだが、どういうプロセスを考えているのかを見極めなければならない」と述べた。都知事選への対応に関しては「誰と誰が組むかよりも、何をやるのかを重視し(支援候補を)考える」と語った。都政課題として、2020年の東京五輪を活用した経済成長や規制改革の実行を挙げた。

(河北新報「細川氏の考え、見極めが必要 みんな・渡辺代表が仙台で会見」より 2014/01/12)

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