プジョーに中国大手・東風汽車が出資へ 41億ドルの新株発行

仏自動車メーカーのPSAプジョー・シトロエンの監査役会は19日、フランス政府と中国の東風汽車への割当などによる増資案を承認した。
Reuters

仏自動車メーカーのPSAプジョー・シトロエンの監査役会は19日、フランス政府と中国の東風汽車への割当などによる増資案を承認した。関係筋が20日明らかにした。

関係筋によると、増資は株主割当増資と新株発行の2段階で実施。株主割当増資では仏政府と東風汽車が同水準の株式を取得し、現在25%となっている創業家の出資比率は低下する。このため、代替案を提案していた創業家出身のティエリー・プジョー監査役会議長にとり今回の承認は痛手となった。

プジョー幹部はこの件に関するコメントを控えている。

関係筋によると、仏政府と東風汽車はそれぞれ10─15%の株式を引き受ける見通し。価格については、東風汽車が1株あたり7ユーロとしているのに対し、プジョーは8ユーロを提案している。

また別の関係筋は、仏政府と東風汽車はそれぞれ5億─8億ユーロを出資する用意があるとしている。

今回の承認で可能になった新株発行の規模は30億ユーロ(41億ドル)。株式の希薄化につながることから、この日の取引でプジョー株は下落。前日比11.1%安の10.205ユーロで取引を終えた。

プジョーは増資しなければ中期的に競合性を維持できないとしていた。来月には2013年にリストラ費用に加えて15億ユーロのキャッシュバーンを公表する見通し。

欧州自動車市場が低迷するなかプジョーはこの日、2013年の自動車販売が前年比4.9%減の282万台となったと発表。欧州の販売台数は同7.3%減と、20年ぶりの不振となった。

[パリ/ロンドン 20日 ロイター]

■仏プジョー、東風汽車と割当増資で交渉する方針を確認

仏自動車メーカーのPSAプジョー・シトロエンは20日、株主割当増資に関して中国の東風汽車と交渉を進める方針であることを確認した。

関係筋はこの日、プジョーの監査役会が前日、フランス政府と東風汽車への割当などによる増資案を承認したことを明らかにしている。

プジョーは声明で、東風汽車に対し株主割当増資を実施し、その後に東風汽車も参加する形で新株を発行することが望ましいシナリオになるとした。その上で、東風汽車と同等の条件で仏政府も増資に参加する可能性があるとした。

また、既存株主に対し無償の新株予約権証券(ワラント)を発行する可能性もあるとした。

プジョーは2月19日に公表する2013年決算に併せて増資に関する発表も行いたい考え。

[パリ 20日 ロイター]

関連記事

20台限定の「フェラーリ」

スポーツカー 画像集

注目記事