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Googleも支援するCANVASの子供向け「プログラミング」ワークショップ「2時間でゲームができた!」

2014年01月24日 20時22分 JST | 更新 2014年01月27日 18時19分 JST
Yuko Soma

2013年、中学校の技術家庭科でプログラミングの授業が必修化されたのをきっかけに、NPO法人CANVASが行うプログラミングのワークショップが注目を集めている。CANVASは2013年10月、Googleと組んで子供たちにプログラミング学習の機会を提供する「コンピューターに親しもう」プログラムを展開することを発表。2月8日には東京大学・本郷キャンパスでキックオフイベントを開催するという。

なぜ「プログラミング」教育が重要なのか。これからのICTリテラシーとは何か。そこで、CANVASが小学生を対象に実施するワークショップ「プログラミングラボ」を取材し、子供たちがプログラミングを学ぶ様子や、子供たちがプログラミングを学ぶ意義などについて聞いた。

■専門知識がなくてもプログラムが組めるスクラッチ

1月12日日曜日、東京・御茶ノ水のデジタルハリウッド大学にて行われたこのワークショップに参加したのは、小学校1年生から6年生までの約30人。4人1組のテープルに、1人1台のパソコン。教室は、パソコンが置いてあるスペースと、床にオレンジのシートが敷かれたスペースに分かれており、ファシリテーター(進行役)の話は、このオレンジのシート(写真)に集まって聞くことになっている。

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まず、参加者全員が集まったところで、あいさつやファシリテーターの紹介、当日の流れの説明があり、そこから具体的な解説へ。このワークショップで使用されるのは、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボが開発した「スクラッチ」という子供のためのプログラミング言語だ。専門的な知識が無くても、視覚的な操作でプログラミングを体験することができる。これを使って、子供たちが「ネコから逃げろ」という簡単なゲームを作る。

この日、スクラッチを教えてくれたのは、OtOMOの倉本大資(だいすけ)さん。OtOMOは、スクラッチを使って子供や学生たちにプログラミングを教える活動をしている団体だ。初めてスクラッチを使う子供たちでもわかるように、1度におよそ3つのポイントに絞ってレクチャーする。その後、子供たちは自分の席に戻って、それぞれのパソコンを使って実際にやってみるという流れだ。

各テーブルにはボランティアスタッフが1人ずつ配置され、わからないことはその都度聞くこともできる(写真)。スタッフも、手が止まっている子には声をかけている。スタッフは大学生も多く、子供たちにとってはお兄さん、お姉さんという感じで聞きやすそうだ。

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ネコのキャラクターを自動的に動くように設定し、マウスで動かすネズミが、ネコに当たったらゲームオーバーという基本的な動きができるまでを、みんなで一緒にプログラミングしたところで前半を終えた。

後半では、「もっとゲームを良くするには、どうしたらいいか」を、みんなで考えていく。まず、それぞれがアイデアを、付箋に書いてホワイトボードに貼る。その後、みんなのアイデアを参考にして、自分のゲームを自由にカスタマイズしていく創作の時間がとられた。

その後、子供たちが作ったものを見ると、背景を変えたり、キャラクターを増やしたり、ネコに武器を持たせたり、ネコが落ちる穴を作るなど、それぞれにまったく違ったゲームが出来上がっていた。高学年は実際のゲームに近いものも見られ、逆に低学年は子供らしい自由な感性で作られていた。最後に、作品をみんなで見せ合って感想を伝え合い終了となった。

ワークショップのプログラムは、飽きさせずにプログラミングを体験できるように工夫されており、2時間半という長丁場にもかかわらず、子供たちは誰一人飽きて騒ぐことも無く、最後まで集中していた。

■「自分で考える」を大切に、子供の個性や創造力を引き出す

このワークショップの運営、ファシリテーションを行うCANVASの鈴木順平(写真)さんによると、ワークショップは、子供達の主体性を大切にしたコミュニケーションの取り方をするよう工夫しているという。

「子供たちに教えるときには、彼ら自身が“自分で考える”ということを大切にし、やりたいことを、ヒントを与えることで引き出すようにしています。子供たちが主体的に考えることで、彼らの個性や創造力を引き出したいと考えているからです」

「パソコンの前にずっと座っていると、プログラミング作業に集中して話を聞かない子も出てきてしまうため、わざわざスペースを移動してもらって、レクチャーを聞く時間と、プログラミングをする時間をわけています。でも、2時間半という長時間、よく最後までに集中してくれていると、毎回驚きますね」

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(左)CANVASの鈴木順平さん(中)OtOMOの倉本大資さん(右)CANVASの寺田篤生さん

■身の回りの物が動く仕組みを知り、表現手段も増える

また鈴木さんは、プログラミングを学ぶ意義については、本当の意味でのICTリテラシーを身につけられることと、表現の選択肢を広げることができることの2つを挙げた。

「僕らCANVASは、プログラミング“を”学ぶではなく、プログラミング“で”学ぶ、という考え方をしているのですが、家電やパソコン、車をはじめ身の回りのあらゆるものがプログラミングで動いている世の中で、それがどのようにして動いているのかを知ることは、本当の意味でのリテラシーを身につけることにつながると思います」

「また、プログラミングを表現手段のひとつに加えることもできます。今後、上級コースでは、スクラッチとセンサーを使ってロボットを動かしたり、将来的にはプログラミング×自然、プログラミング×宇宙、プログラミング×鬼ごっこのように、プログラミングで様々なことを学べるようなワークショップも実施していけると楽しいなと思っています」

今回、子供をワークショップに参加させた親に、参加の理由を聞いてみると、「子供がゲームに興味があったので、それがどのようにして作られているのか知るきっかけになればと思って」「絵や造形が好きで、デジタルな表現を知るきっかけになればと」「教育版レゴのマインドストームをやらせてみたくて、その入口として」など、子供にプログラミングを学ばせたいというよりも、プログラミングを知ることで、好奇心や創造力を広げたいという意図で参加させたという人が多いようだ。

今後は、プログラミングも、例えばピアノやバレエ、書道などと同じように、表現方法のひとつとして、習い事のひとつに選ばれるようになっていくのかもしれない。

(相馬由子)

※子供の想像力を育むプログラミングのワークショップについてどう思いますか? あなたの声をお聞かせください。

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