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小泉元首相「偽Twitter」騒動 「なりすまし」の場合はどんな罪になる?

2014年01月25日 22時15分 JST | 更新 2014年06月05日 00時46分 JST
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ネット騒がせた小泉元首相「偽ツイッター」騒動 「なりすまし」はどんな罪になる?

小泉純一郎元首相を名乗る「公認マーク付き」のツイッターアカウントが1月19日に開設され、あっという間に約7万人のフォロワーを獲得した。しかし、翌20日には同氏の事務所が本人の関与を否定。さらに翌21日、このアカウントは突然、閉鎖された。

ネット上での「なりすまし」が問題となることは少なくないが、今回、疑問符が付いたのはツイッター社の「公認マーク」付きの元首相のアカウントということで、ネット上には大きな衝撃が走った。

この公認マークは従来、ツイッター社が直接本人や関係者などに独自確認を行ったうえで付与すると説明されてきた。つまり、もしアカウントがニセモノだったとしたら、何者かが何らかの方法で首相やその関係者に「なりすまし」て、ツイッター社をだました可能性もあるわけだ。

こうした「なりすまし」行為に大きな問題があることは明らかだろうが、法的にはどんな犯罪になると言えるのだろうか。また、これから迎える東京都知事選で候補者になりすましたアカウントを作って、選挙活動のツイートをしたら、どうなるのだろうか。秋山直人弁護士に聞いた。

●もしツイッター社をだまして「公認」されたとしたら?

「問題のアカウントが、小泉元首相側が正規に開設したアカウントだったのか否かは、双方の主張が対立していますので、現時点では真偽のほどは分かりません。

そこで、これは仮の話になりますが、もし第三者が小泉元首相になりすましてツイッターアカウントを開設し、ツイッター社をだまして公認マークを取得していたという場合には、私電磁的記録不正作出罪(刑法161条の2)や、偽計業務妨害罪(刑法233条)に該当する可能性があります」

以上は、「もしツイッター社をだましたら」という点についての議論だ。

それでは、次に、もし誰かが候補者になりすましてアカウントを作り、選挙に関するツイートをしたら、という点についても聞いてみたい。

●都知事選で「なりすまし」が起きたら?

「もし、東京都知事選で、第三者が候補者になりすましたツイッターアカウントを開設して選挙に関するツイートをした場合についてですが、昨年5月26日に施行された公職選挙法等の改正で、次のような、なりすまし対策が講じられています」

どんな対策なのだろうか?まずは違反者の「処罰」についてだが……。

「当選または落選させる目的で、真実に反する氏名の表示をしてインターネットで選挙活動をした場合には、氏名等虚偽表示罪(公職選挙法235条の5)によって罰せられます」

もう一つが「なりすまし」により発信された問題ある情報を、プロバイダが「削除」しやすくするためのルールだという。

「プロバイダ責任制限法で、電子メールアドレスやツイッターのユーザー名などの連絡先が正しく表示されていない選挙運動用のネット上の文書については、例外が定められています。そのような文書について、候補者等からの申し出があった場合、プロバイダ等は、送信者に照会することなく削除しても、送信者に対して損害賠償責任を負わないという特例です。

このため、候補者等からのなりすまし等の指摘にプロバイダ等が速やかに対応し、その文書が削除される可能性が高くなっています」

さらに、なりすまされた当人からの責任追及もありそうだが……。秋山弁護士は「なりすましによって候補者等に損害を与えた場合、民事事件として、候補者等から不法行為であるとして損害賠償請求を受けることにもなります」と警告していた。

ネットをにぎわせた今回の「事件」。なぜこのような事態が起きたのか、その真相はまだ明らかでない。現時点でひとつ言えるとすれば、ツイッター上で選挙候補者になりすます行為は、立派な犯罪行為ということだろう。

(弁護士ドットコム トピックス)

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【取材協力弁護士】

秋山 直人(あきやま・なおと)弁護士

2001年に弁護士登録。所属事務所は現在弁護士6名で、交通事故等の各種損害賠償請求、企業法務、債務整理、契約紛争、離婚・相続、不動産関連、労働事件、消費者問題等を取り扱っている。

事務所名: 山崎・秋山法律事務所

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