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血中アルコール濃度が低くても、「酒酔い運転」になることも

2014年01月29日 23時49分 JST | 更新 2014年06月06日 22時30分 JST
Lise Gagne via Getty Images

酒好きは要注意!血中アルコール濃度が低くても「酒酔い運転」になることがある!?

年の初めの月ということで新年会が盛んなシーズンだが、お酒を飲みすぎて頭痛などの「二日酔い」に悩まされた人もいるだろう。その二日酔いをめぐり、英国の西イングランド大学(UWE)の准教授らが行った調査研究が話題を呼んでいる。お酒を飲んだ翌日の運転は、たとえ血中にアルコールが残っていなくても危険だと、実験で示したというのだ。

実験では、前夜に飲酒した参加者に20分間の運転シミュレーションを実施したところ、スピードのばらつきや運転ミスが多発した。続けて行った補足実験の結果も同様で、血中からアルコールが検出されなくなった後でも、運転に飲酒状態と同レベルでの悪影響が認められたという。

この実験によると、前の晩にお酒をたくさん飲んだときは、たとえアルコールが残っていないと思っても運転しないほうが良いと言えそうだが……。日本における「飲酒運転」の定義とはどんなものなのだろうか。血中アルコールが検出されない状態の二日酔い運転を「飲酒運転」として取り締まることはできるのだろうか。阿部泰典弁護士に聞いた。

●「酒気帯び運転罪」と「酒酔い運転罪」の違いとは?

「道路交通法65条1項は、『何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない』と規定しています。

この『酒気を帯びて』とは、社会通念上、酒気帯びといわれる状態をいい、そのような状態が外観上(顔色や呼気などで)認知できる状態にあることだとされています」

道交法上の飲酒運転を考える際には、まずはこの条文が「基本」になるようだ。ところで、一口に酒気帯びといっても、泥酔状態からしらふまでの間には、いろいろと段階がありそうだが……。

「酒の影響下で運転する犯罪には、『酒気帯び運転罪』と『酒酔い運転罪』があります。

まずは『酒気帯び運転』ですが、これは政令で血中アルコール濃度が『血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラムまたは呼気1リットルにつき0.15ミリグラム』以上の場合と決められています。

したがって、酒に酔った状態で車を運転したとしても、血中アルコールがこの政令数値未満であれば、『(政令数値以上)酒気帯び運転罪』には該当しません。

なお、酒気帯び運転罪の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となっています」

すると、たとえ二日酔いで頭がガンガンしていても、血中アルコールの数値がそれ未満なら、法的には問題なしなのだろうか? 阿部弁護士は「それは違う」と首を振る。

●「酒酔い運転罪」は血中アルコール濃度が低くても成立しうる

「たとえ、血中アルコールが政令数値以下であっても、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で車を運転すれば、『酒酔い運転罪』に該当する可能性があります。こちらは、法定刑が5年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。

したがいまして、前の晩にお酒をたくさん飲んで、頭が痛かったり、吐き気がしたり、あるいはそこまでいかなくても、体がだるいなどの二日酔い状態で、車の運転が正常にできないおそれがある状態の場合には、法的な観点からも、車の運転は控えたほうがよいと言えるでしょう」

やはり頭痛や吐き気など、自分の身体が発する警告には、素直に従っておいたほうがよさようだ。

なお、阿部弁護士は「最寄りの駅から自宅まで自転車通勤・通学をされている方は少なくないと思いますが、この『酒酔い運転罪』は、自転車の場合にも成立します」と指摘し、注意を呼びかけていた。

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【取材協力弁護士】

阿部泰典(あべ・やすのり)弁護士

平成7年4月 弁護士登録。平成14年4月 横浜パーク法律事務所開設。平成21年度 横浜弁護士会副会長。平成24年4月~ 横浜弁護士会法律相談センター運営委員会委員長、横浜弁護士会野球部監督

事務所名: 横浜パーク法律事務所

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