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マクドナルド、「ピンク・スライム」疑惑に応える(動画)

2014年02月10日 16時15分 JST | 更新 2014年02月10日 16時32分 JST

冒頭のYouTube動画は、マクドナルド・カナダ社が、2月2日夜に開催された「第48回スーパーボウル」のテレビ中継の際に放映したコマーシャルだ。

このCMによって同社は、同社の「チキンマックナゲット」が、悪名高い「ピンク・スライム」からつくられているという、多くの人々が信じ込んでいるネット上の噂を否定しようとした。

CMによると、カナダのマックナゲットの実際の原材料は、鶏むね肉とパン粉、そして、いくつかの「調味料」だ。CMで紹介された調理法は、インターネット上に広まっている不気味なピンク色の食材(ピンク・スライム)から受けるイメージよりも、はるかに受け容れやすいものとなっている。

ただし、調味料を含む原料リストはかなり長い。マクドナルド社の公式ページに掲載された原料一覧(PDF)によると、マックナゲットの原料は以下の通りだ。

ホワイトミート・チキンナゲット(登録商標マーク):鶏むね肉、水、加工コーンスターチ、食塩、調味料(酵母エキス、食塩、小麦デンプン、天然香味料(植物由来)、紅花油、ブドウ糖、クエン酸、ローズマリー)、ローズマリー天然エキス。パン粉にまぶすもの:水、小麦粉、黄トウモロコシ粉、加工コーンスターチ、香料、食塩、ペーキングパウダー、ブドウ糖、小麦スターチ、コーンスターチ、加工水素添加大豆油。これらを100%の植物油(菜種油、トウモロコシ油、水素添加大豆油(TBHQ=油の防腐剤)、クエン酸、ジメチルポリシロキサン)で揚げる。小麦を含む。

ジメチルポリシロキサンとは何だろうか? これはシリコーンの一種で、食品の乳化剤として使用されたり、固化や泡立ちを防止する目的で使用されたりする。またこの物質は、化粧品やシャンプーにも使用されているほか、「シリーパティー」などの、スライム状のオモチャの原料でもある(ヒトの消化管では代謝・吸収されず、未変化体のまま便と共に排出されるとされる

では、水素添加大豆油の後ろのかっこ内に記されている、TBHQとはどんな物質なのだろうか? これは、石油から抽出される成分で、植物油や動物性脂肪のための酸化防止剤だ(日本では食品添加物としての利用が認められておらず、TBHQを含む食品の輸入・販売が禁止されている)。

というわけで、マックナゲットにはピンク・スライムは使用されていない。とはいえ、原料のすべてがオーガニックな食材というわけでもないようだ。

マックナゲットにピンク・スライムが使用されているという風評は、2010年に米国で放映された、イギリス人シェフのジェイミー・オリバーが出演したテレビ番組「Food Revolution」が原因で広まり始めたものだ。

同番組でオリバー氏は、多くの食品会社が、本来であれば廃棄する部位の肉を、遠心分離器にかけて肉と脂肪分を分離し、食品の材料として使用していることを暴露した。さらに、分離された肉は、水酸化アンモニウムを使用して殺菌処理されるという。食品業界では、このように処理された牛肉は、「きめの細かい牛肉(LFTB:lean finely textured beef)」と呼ばれている(俗称がピンク・スライム)。

アメリカのマクドナルド社は、この番組が引き起こした消費者による激しい反発を受け、LFTBの使用を中止した。また、マクドナルド・カナダ社はこの番組放映当時、同社の商品にLFTBは使用したことがないと発表した。

つまり、人々はピンク・スライムを、チキンナゲットの原料だと思っていたのかもしれないが、実際にはこれは牛肉からつくられたものなのだ。ただし、多くのブランドのチキンナゲットの場合にも、議論のある製法は使われている。

スーパーやファストフード店などで販売されている「ナゲット」(チキンとは限らない)の多くは、「機械的に分離」された肉だ。この工程では、高圧のふるいにかけることで、骨に付いた肉は残さずすべて取り出される。

「CBSNews」の記事によると、ミシシッピ大学医学部で最近行われた研究では、ファストフード店2店舗で購入したナゲットの成分を分析した。その結果、ナゲットの成分のおよそ50%が「ふつうの肉」で、残りは脂肪分や血管、神経組織、軟骨、骨などだったという。

つまり、カナダのマクドナルド社がナゲットを主に鶏むね肉からつくっていると述べているにしても、すべてのナゲットが同じようにつくられているわけではないのだ。

[Michael Bolen(English) 日本語版:丸山佳伸、合原弘子/ガリレオ]

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