羽生結弦、金メダル フィギュア男子初【ソチオリンピック】

ソチオリンピック、フィギュアスケート男子シングルのフリープログラムは、羽生結弦が、パトリック・チャン(カナダ)を抑え、今大会日本初となる金メダルを獲得した。
SOCHI, RUSSIA - FEBRUARY 14: Yuzuru Hanyu of Japan competes during the Figure Skating Men's Free Skating on day seven of the Sochi 2014 Winter Olympics at Iceberg Skating Palace on February 14, 2014 in Sochi, Russia. (Photo by Matthew Stockman/Getty Images)
SOCHI, RUSSIA - FEBRUARY 14: Yuzuru Hanyu of Japan competes during the Figure Skating Men's Free Skating on day seven of the Sochi 2014 Winter Olympics at Iceberg Skating Palace on February 14, 2014 in Sochi, Russia. (Photo by Matthew Stockman/Getty Images)
Matthew Stockman via Getty Images

ソチオリンピックは2月14日(現地時間)、フィギュアスケート男子シングルのフリープログラムがあり、前日のショートプログラムで史上最高点となる101.45点をマークした羽生結弦が、2011―13年の世界選手権王者、パトリック・チャン(カナダ)を抑え、今大会日本初となる金メダルを獲得した。

フィギュアスケート男子シングルの金メダルも日本初。2位はチャン、3位はデニス・テン(カザフスタン)。町田樹は5位、高橋大輔は6位でいずれも入賞を果たした。

町田樹は18番目に登場、ショート11位からの逆転を狙ったが、最初の4回転トーループに失敗して転倒した。ただ、動揺を見せずに続く4回転トーループを決め、2回転トーループのコンビネーションを加えた。その後は高さのあるトリプルアクセル(3回転半)から3回転トーループへのコンビネーションとトリプルアクセルを成功させたほか、後半は4つの3回転ジャンプをいずれも成功させるなど、リズムを取り戻して軽快な演技を見せた。得点は169.94点でショートとの合計は253.42点となり、残り6人の演技を待った。

続く19番目はショート3位のハビエル・フェルナンデス(スペイン)。冒頭の4回転トーループ、4回転サルコーから3回転トーループへのコンビネーションをしっかりと決めた。ただ、中盤の4回転サルコーが1回転足りず、続く3回転ルッツも2回転になった。得点は166.94点で合計253.92点となった。

高橋大輔は、最初の4回転トーループの着地が決まらなかったが、その後は3回転ジャンプの連続を決めた。後半は3回転ルッツから3回転トーループへのコンビネーションのほか、3つの3回転ジャンプを安定して決め、笑顔でリンクを後にした。演技構成点が91点をマークしたもののジャンプのミスが響いて得点は164.27点、合計250.67点でこの時点で4位となり、メダル獲得はならなかった。

ショート1位の羽生結弦は冒頭の4回転サルコーで転倒したが、続く4回転トーループはきれいに決めた。ただ、次の3回転フリップでも着地でバランスを崩し転倒。中盤はトリプルアクセルから3回転トーループへのコンビネーション、トリプルアクセルと2回転トーループの連続技を決めたほか、後半は予定されていた3回転ループ、3回転ルッツもきっちりこなした。演技が終わった瞬間、歓声の中で氷に手を突き、観客席に敬礼した。得点は2点減点されたが178.64点をマークし計280.09点でトップに立ち、チャンの演技を待つことに。

パトリック・チャンは4回転トーループから3回転トーループへのコンビネーションを完璧に飛んだ。しかし続く4回転トーループの着地で手を突いたほか、トリプルアクセルでもバランスを崩した。中盤の見せ場となる3連続ジャンプのコンビネーションは、最後の3回転サルコーの予定が1回転少なくなった。後半、コンビネーションを含む3つの3回転ジャンプは落ち着いて成功させたが、最後のダブルアクセルでは着地で体勢を崩した。得点は178.10点で、計275.62点となり、羽生を上回れなかった。この時点で羽生の3位以内が確定した。

続くショート5位のペーター・リーベルス(ドイツ)、同6位のジェイソン・ブラウン(アメリカ)が羽生を上回らなかったため、羽生の金メダルが確定した。

町田は「パフォーマンス的にも最高のものはできませんでしたが、本当に多くのかけがえのない方々の支えがあって、僕をこの舞台に導いて下さった。本当に感謝しています。本当に、オリンピックはこうも大きい存在なのかと、舞台に立って実感しました。精いっぱいこの舞台を頑張ったつもりですし、貴重な経験をさせて頂きました。もっともっと自分らしくいいパフォーマンスをお届けしたかったので、正直すごく悔しいです。ここから多くのことを学んで次の一歩を踏み出したいと思います」と話した。

高橋は「出来としても成績としても満足のいくものではなかったですが、かなり厳しかった中で、自分自身精いっぱいはできた。これが実力なんだなと今日改めて感じた。たくさん日本からも応援来て下さいましたし、気持ちを込めて滑ることができた。気持ちだけはあきらめないようにと思っていたので、あきらめずにやってよかった。最高の演技を見せることができず、僕自身はすごく残念。3回のオリンピックはきついことの方が多かったけど、これが次につながる舞台だと思うので、いろんな思いがあったソチでしたが、自分にとって最高のソチだったと思います」と振り返った。

羽生は「緊張しました。オリンピックってすごいなと思った。結果としてすごいうれしいなと思う半面、自分の中では悔しいと思うところがあるので、金メダル取って言うのもなんですけど、やっぱり悔しいです。時間もあまりなくて、練習も朝早くからだったので、今回の試合で本当に緊張しましたし、その緊張の中でどれだけ自分の演技をできるようになるか、いい経験になった。(チャンの得点が自分を下回ったときは)とにかく驚きしかなかった。自分の演技が悔しかったので、うれしいとかそういう感情は本当になかった。明日金メダルを早く見たい」と述べた。

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