吹雪の中を10km歩いて手術した脳外科医:アメリカ

豪雪に見舞われたアラバマ州で、1月28日の朝、患者の命を救うべく、激しい吹雪の中を10キロメートル近く歩いた医師がいた。

豪雪に見舞われたアラバマ州で、1月28日の朝、患者の命を救うべく、激しい吹雪の中を10キロメートル近く歩いた医師がいた。

「AL.com」の記事によれば、アラバマ州バーミングハムにあるトリニティ・メディカル・センターにとって、脳外科手術を行える医師はゼンコー・ハランキュー(Zenko Hrynkiw)医師しかいない。

ハランキュー医師が近隣の病院でちょうど手術を終えた時に、トリニティ・メディカル・センター神経科集中治療室の主任看護師から、緊急手術を依頼する電話が入った。そこで同医師は、車でメディカル・センターに戻ろうとしたのだが、突然の大雪で渋滞につかまり、立ち往生してしまった。

主任看護師であるスティーヴ・デイヴィス看護師が、のちにハフィントン・ポスト米国版に語った話によると、市当局およびトリニティ・メディカル・センター双方とも、ハランキュー医師のために交通手段を確保しようとしたものの、不可能だったという。

デイヴィス看護師は、「(ハランキュー医師に)もう一度電話したら、“歩いて行きます”と言われたのです」と述べる。

ハランキュー医師がトリニティ・メディカル・センターに到着するまで、5時間ほどかかったのではないかという。午後0時30分ころ、医師は再び電話をかけてくると、こう尋ねてきた。「今、病院玄関に到着しました。患者はどこですか?」

手術の準備はすべて整っていた。ハランキュー医師は、患者の家族と少し話をしてから手術室に入ったという。

現在、その患者の容体は安定しているが、「手術をしなかったら、おそらく亡くなっていたでしょう」とデイヴィス看護師はAL.comに話している。

同病院に勤めて10年になるデイヴィス看護師は、ハフィントン・ポスト米国版に対し、こんな事態は初めてだったにせよ、ハランキュー医師の行動には特に驚かなかった、とも語っている。「同医師は、年間330日間、緊急電話に対して待機されています。非常に献身的な方なのです」

今回の手術が始まる直前、デイヴィス看護師はハランキュー医師に、「素晴らしい行いですね」と声をかけたが、それに対して医師はこう答えたという。「私は自分の仕事をしているだけだよ」

[Megan Griffo(English) 日本語版:遠藤康子/ガリレオ]

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