就活中の圧迫面接、「精神的苦痛」で慰謝料請求できる? その方法とは

2014年02月19日 02時24分 JST | 更新 2014年06月06日 22時14分 JST
Koki Iino via Getty Images

就活中の「圧迫面接」で心が傷ついた・・・会社に「慰謝料」を請求できる?

いよいよ新卒採用のシーズン。就活生の多くが日々、説明会やエントリーなどに追われているだろう。大手企業の面接がピークを迎えるのは4月だが、すでに面接を実施している企業も多々あるようだ。

初めて就職活動をする学生にとって、企業の採用担当者による面接は未知の世界だ。どんな質問をされるのか、何と答えたら良いのか、気になって夜も眠れないという人もいるだろう。なかでも心配なのが、悪名高き「圧迫面接」だ。

「君の顔はうちの社に合わない」など、ほとんど言いがかりのような言葉を突きつけられたり、人格を否定されるような言葉を吐き捨てられたり……。ニコリともしない居丈高な面接官にこんな風に扱われたら、怒りを通り越して、落ち込んでしまう人もいるかもしれない。

もし、度を過ぎた圧迫面接を受けて、精神的に参ってしまったら、企業側に慰謝料請求することで、「一矢報いる」ことはできるだろうか。労働問題に詳しい古金千明弁護士に聞いた。

●「度を過ぎる言動」があれば、慰謝料もあり得る

「面接官の言動が度を過ぎていて、民法上の不法行為に該当する場合、就活生が企業に対して、精神的苦痛にもとづく慰謝料を請求できる場合があります」

どんな場合だろうか? 古金弁護士は、わかりやすい例として、次のような2つをあげる

「たとえば、セクシャルハラスメントにあたる発言をして就活生の人格権を侵害した場合は、不法行為とされるでしょう。

また、『結婚の予定はあるか』『子どもが生まれた後も仕事を続けるか』といったことを、『女性にだけ』聞いた場合は、男女雇用機会均等法違反になります。面接官の他の言動と相まって、不法行為とされる場合がありえます」

それ以外はどうだろうか。

「不法行為とされるかどうかは、ケースバイケースです。ただ、セクハラ等の分かりやすい例をのぞけば、損害賠償を請求できると断言できるケースは、そう多くはないと思われます。

あえて基準を述べるとしても、面接官の発言目的・内容・時間など、さまざまな事情を総合的に考慮したうえで、通常人の許容限度を著しく超える発言があった場合で、質的・量的にも一定の違法性がある場合という抽象的な言い方になってしまいます」

●詳細なやりとりを「記録」しておくのがよい

そうなると、もし、慰謝料を請求したいと考えた場合、どう行動すればよいのだろうか。

「まずは企業と直接交渉をすることになるでしょう。もし、企業側が面接官の言動を不法行為だと認めれば、慰謝料を支払うこともありえます。

交渉を有利に進めるためには、面接直後の記憶が鮮明なうちに、詳細なやりとりを記録しておくことが重要です。言った言わないの水掛け論を避けるためにも、あらかじめ面接を録音するという自衛策も有効かもしれません。

ただし、企業側もそう簡単に非を認めるとは限らず、交渉で解決しなければ裁判に訴えるしかありません。もし裁判となると、それなりの時間とコストがかかります。『一矢報いる』価値があるかどうか、慎重に考えたほうがよい場合も多いでしょう」

古金弁護士は就活生に対し、このようなアドバイスを送っていた。

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【取材協力弁護士】

古金 千明(ふるがね・ちあき)弁護士

天水綜合法律事務所・代表弁護士。個人から法人(IPOを目指すベンチャー企業・中小企業、上場企業)に対するリーガルサービスを提供している。取扱分野は、企業法務、労働問題、M&A、倒産・事業再生、一般民事(離婚・男女関係含む)。

事務所名: 天水綜合法律事務所

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