チャイルドシートで子どもを"確実に"守るためには

2014年02月27日 16時17分 JST | 更新 2015年09月08日 01時31分 JST
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常識だと思っていたことが、実はとんだ勘違いだった……。誰しもそんなケースの1つや2つ、身に覚えがあるのではないだろうか。漢字の読み間違いや、フォークの背を使うなんてことなら、笑って済ませられるし罪はない。しかし世の中には、人を死に追い込むこともあり得る勘違いが存在する。そのひとつが、チャイルドシートにまつわる誤った知識だ。

例えば、乳児用チャイルドシートは、「後ろ向き」や「横向き」が基本であることをご存知だろうか?(国土交通省による)あるいは乳児用チャイルドシートは、目が届きやすい助手席ではなく後部座席置を前提に作られているのを、ご存じだろうか?

幼児の頭は身体のほかの部位に対して大きくて重い。例えば成人男子の頭は、総重量の6%に過ぎないが、生後9カ月の赤ちゃんだと、それが約25%となる。その上、特に赤ちゃんは首が完全に据わっていないため、前方からの衝突が生じた場合、致命的な事態に陥ることになりかねないのだ(Folksam保険会社によるデータの研究からは、例えば死亡もしくは重傷となる幼い子供たちのリスクは、後ろ向きのチャイルドシートを使用していた場合に比べ、正面を向いていた場合は、約5倍も高くなることを示している)。

つまり、乳児の間はチャイルドシートを前向きに装着してはならない。しかし、以外とこの事実は浸透していないのではないだろうか。

子供を持つ親を対象としたスウェーデンのある調査によると、後ろ向きのチャイルドシートを使用している割合は、40%に過ぎなかったという。この事実に対し、「3歳未満のすべての子供に、後ろ向きのチャイルドシートの使用を義務づけるべきだ」と考えたメーカーがあった。安全性を何よりも至上の価値と捉えている、ボルボである。

そもそも後ろ向きのチャイルドシートは、1960年代、スウェーデンのイェーテボリにあるチャルマース工科大学のバーチル・アルドマン教授の発明によって生まれている。アルドマン教授は、アメリカのジェミニ有人宇宙計画において離着陸時に用いられた特別なシートから、インスピレーションを受けたとされる。背中全体で重力を分散するために設計されたこのシートと、アルドマン教授が開発したチャイルドシートの原理はまったく同じで、子供の背中全体で、衝撃の影響を緩和する仕組みとなっていた。

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後ろ向きのチャイルドシートは、世界の中でもいち早くスウェーデンで普及した。その効果は、事故統計学において明確に示されている。

ボルボは、アルドマン教授がチャイルド・セーフティ・プログラムに携わるようになって以来、協同で活動を続けてきた。そのひとつの成果が、自動車業界初となる後ろ向きチャイルドシートの発表につながることとなる。ボルボは独自の事故調査隊を組織し、子供が自動車の乗員として負傷するリスクを研究。その結果、総計7万人以上が関わる42,000例以上の衝突事故がデータベース化されることとなった(この統計によると、スウェーデンでは1976年から2012年の間に、衝突事故に巻き込まれた0〜15歳の子供数は、6,500人以上であった)。

そのデータベースは、1999年、自動車メーカーやチャイルドシートメーカー、あるいは行政機関等の連携を生み、国際標準規格「ISOFIX」の誕生に影響を与えることになる。統一規格が生まれたことによって、さまざまなチャイルドシートが、いかなるクルマにおいても使用できるようになり、誤った装着による悲劇を減らす結果となった。

子どもの成長に応じてチャイルドシートの取り付け方法や安全装備も変化していくので、親としては子どもの体格や時期に応じた使用方法を認識しておくべきである。例えば、前向きのチャイルドシートに換える場合は、子どもの体格にあわせたサイズのものを選び、シートベルトは腰の低い位置で装着できるようにする。「3点式シートベルト」を使用する場合でも、こういった安全装置は基本的に大人の体格を基準にして設計されているので、子どもには逆に安全ではない場合がある。そこで、「チャイルド・クッション」を使用することで大人と同じようにヒップから大腿の付け根の正しい所定の位置にちゃんとシートベルトを装着することができる、というような綿密な知識も必要となってくる。

1985年の道交法改正により、運転席・助手席のシートベルト着用が義務化され、死亡者の軽減に大きな貢献を見せた。リアシートでのシートベルト着用に関しては2007年に義務付けられ、高い認知率を誇っているにもかかわらず、なかなか着用率が高まらないことは大きな問題である。後ろ向きチャイルドシートの装着に関しては、まだまだ、知識を広めていくところから、啓蒙活動を行っていく必要があるが、リアシートのシートベルト着用と同様に人の生死に関わる重要な課題であることは確かだ。誤った知識から、取り返しのつかない悲劇を生まないためにも、正しい知識の啓蒙に、メディアも含めた各業界が、力を合わせていく必要があるだろう。

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