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H2Aロケット23号機、打ち上げ成功 世界で一つしかない「DPR」、気象衛星ひまわりと何が違う?

2014年02月27日 23時22分 JST | 更新 2014年03月01日 01時29分 JST

H2Aロケット23号機が、2月28日午前3時37分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。ロケットには、世界で一つしか無い「二周波降水レーダ(DPR)」を持つ降水観測衛星が搭載されている。打ち上げから約16分後に、衛星は予定どおり地球を回る軌道に投入され、打ち上げは成功した。

今回打ち上げられた衛星は「全球降水観測(GPM)計画」の主衛星。日本だけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、インドなどの世界各国で協力して行っている、地球全体の雨や雪の状況を高精度に観測するプロジェクトの中心となるものだ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と米航空宇宙局(NASA)などで共同開発した。今回の主衛星の打ち上げで、GPM計画も本格始動することになる。

この衛星には、世界でただひとつの雨雲スキャンレーダー「DPR」が搭載されており、これまで不可能だった雲の内部に存在する雨や雪の構造を、立体的にスキャンすることができるという。気象予報士の木原実さんは、気象衛星ひまわりと今回打ち上げられた衛星の違いを次のように話す。

「気象衛星ひまわりは、例えば台風が発生したときに、台風の大きさや形、動きなどを宇宙空間から観測して地上に伝えてくれる。ただしこれは、台風の雲の形を、上から表面だけを見たもので、台風の内部構造や雨雲の分布などはわからない。いわば、ハリボテ台風を見ているようなものに過ぎない。

 

GPS主衛星のデータは、台風の表面だけではなくて、内部構造もわかる。台風の中のどこで強い雨が降っているか、どこが弱いのか、雲を切っていくようにスキャンして、その内部の雨雲の分布までよく分かるんです。」

 
(YouTube「[JAXA]【9分でわかる!】雨雲を、味方にせよ。~GPM計画とその利用~」より 2014/02/11)

dpr

この衛星のデータは、豪雨や洪水などの予測に役立てられる。日本だけでなく世界各国でも利用される予定だ。豪雨などによる洪水の発生予測は既にこれまでも行われてきているが、地上観測ネットワークが発達していない発展途上国などでは、雨量データをどのように集めるかが課題となっていた。独立行政法人・土木研究所の岩見洋一さんは、GPM計画が本格指導することで、衛星観測の雨量データがより有効に活用できるようになると話している。

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