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STAP細胞の論文 新たに画像酷似の指摘 「根幹揺らぐ」

2014年03月10日 23時00分 JST | 更新 2014年03月10日 23時39分 JST
理化学研究所

新たに画像酷似の指摘「根幹揺らぐ」 STAP細胞論文

生物学の常識を覆すとして世界に衝撃を与えた万能細胞「STAP細胞」の論文が、撤回される可能性が出てきた。発表からわずか1カ月余り。論文の不適切さを問う声が相次ぎ、共著者まで「確信が持てない」と表明した。次々に明らかになる問題に、理化学研究所の対応は後手にまわっている。

■理研幹部から「論文取り下げては」

「きょうの昼ごろに、理研の(幹部)3人から、メールや電話で『論文を取り下げてはどうか』と著者全員に連絡があった。それに後押しをされて、取り下げを呼びかけることにした」

10日夜、甲府市の山梨大。報道陣に囲まれ、論文の共著者である若山照彦教授は話した。

若山さんはマウスのクローンを作る第一人者。論文では、STAP細胞がどんな組織にでもなれる「万能性」を持つことを裏付ける決定的な証拠のための実験を担った。

STAP細胞の特徴は、(1)万能性を持ち、(2)体のふつうの細胞から作られる、という2点だ。こうした研究内容そのものにかかわる疑問が、今月に入り相次いで浮上した。

万能性への疑問は、論文不正などを取りあげるインターネットのブログで9日に指摘された。筋肉や腸の組織をとらえた計4枚の画像で、英科学誌ネイチャー発表の論文では、いずれもSTAP細胞から育ったと説明された。

だが、これらは論文の主著者である理研の小保方晴子ユニットリーダーが2011年に書いた博士論文の画像とそっくりだった。博士論文ではSTAP細胞ではなく、骨髄の中に元々含まれている万能の細胞を育てたとしていた。

若山さんは「この写真は細胞がいろいろなものに分化できることを示す写真で、研究の根幹が揺らいだ。私が実験をしたのが何だったのか、確信が持てなくなった」と話した。

第二の特徴にも疑念が出ている。論文では、血液に含まれるリンパ球という細胞からSTAP細胞をつくったとされ、人為的につくったことを示す遺伝子の変化がSTAP細胞に見つかったと書かれていた。

ところが、理研が今月5日に公表した詳しい作製手順には、STAP細胞を改変した細胞(STAP幹細胞)にはこの遺伝子の変化がなかったと書かれていた。

若山さんはこれまで小保方さんを擁護していた。論文については他にも、画像の「使い回し」や、記述の一部が別の研究者が発表した論文とほぼ同一だったとの指摘もあったが、STAP細胞を作ったという成果自体には影響しないと見られてきた。

若山さんは「研究成果を信じたい気持ちがあるので、一度論文を取り下げて、もう一度研究を行い、だれからも文句の出ない形で論文を出したい」と話した。

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(朝日新聞社提供) 


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