「宇宙から見たふるさとは美しい」 若田光一さんが船長就任会見

国際宇宙ステーション(ISS)の船長に3月9日に就任した宇宙飛行士の若田光一さんが13日、宇宙から就任会見を開いた。ISSは地球の400キロ上空を周回しているが、東京・御茶ノ水の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の東京事務所とテレビ会議システムで記者の質問に答えた。
安藤健二

国際宇宙ステーション(ISS)の船長に3月9日に就任した宇宙飛行士の若田光一さんが13日、宇宙から就任会見を開いた。ISSは地球の400キロ上空を周回しているが、東京・御茶ノ水の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の東京事務所とテレビ会議システムでつないで、記者の質問に答えた。

若田さんは昨年11月からISSに滞在中で、5月中旬に地球に帰還するまで、アメリカとロシアの飛行士計5人をまとめて率いることになる。今回の会見では、50人近い報道陣がカメラの向こうに押し寄せたが、若田さんは終始リラックスした表情。「和の心を持ってチームとして最大限のアウトプットができるように舵取りをしていきたい」と抱負を語った。

地上からの質問を待つ約10秒間の間には、無重力空間でマイクを回して遊び、記者の質問が終わると、なんなくキャッチして質問に答えていた。

日本人初の船長に就任したことで「食事の決定権があったり、ベッドが広くなったり得したことはあるのか?」という質問には、「みんな好みの物を食べてるので、船長になって日常的なことが変わったことはないですね」と苦笑した。これまでの業務に追加することはあるけど、日々の基本的な業務に変更はないという。

ISSから日本列島を眺めたときの感想について聞かれた若田さんは、感慨深げに次のように話した。

「我々は地球を90分で1周するので、1日で16回、周回しています。やはり日本上空を通過するときは、仕事に合間があれば窓の近くに行って、ふるさとを眺めてしまいますね。そこにいる自分の友人や家族、同僚のつくば市の仲間の顔が浮かんできます。日本の技術力の結果として、宇宙飛行士がこういうところで作業できるという感謝の気持ちでいっぱいになります。やはり、ふるさとを眺めると、『また頑張るぞ』という気持ちになるし、ふるさとの景色はとても美しいです」

通信環境などの関係で、会見の時間はわずか15分ほどだった。矢継ぎ早に記者団の質問に答えた若田さん。最後、両手を挙げてウルトラマンが「シュワッチ」と空を飛ぶようなポーズで画面外へと消えていく。残された無重力空間に、マイクがくるくると回っていた。

若田飛行士/聖火トーチを手にする若田さん

若田光一さん写真集

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