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「子ども・子育て支援新制度」不足する4000億円 政府は財源を確保できるのか

2014年03月14日 21時23分 JST | 更新 2014年03月14日 21時51分 JST
時事通信社

政府が2015年度から実施するとしていた新たな子育て支援制度の具体案が3月10日、明らかになった。新制度には1兆1000億円の財源が必要とされていたが、財源4000億円のめどが立っておらず、消費増税分から確保する7000億円でできるメニューに絞り込んだ形となった。47NEWSなどが報じた。

政府が、新たな子育て支援制度を実現するため消費税増税分から確保する7千億円のサービス内容が10日、判明した。当初は最大1兆1千億円の財源が必要と推計していたが、残る財源4千億円のめどが立たない中、メニューを絞り込んだ形。保育所などの職員1人当たり園児数を減らす職員配置改善は3歳児だけとし、職員給与のアップも当初の最大5%増から3%増にとどめる。



(47NEWS「保育士給与改善幅を圧縮へ 4千億円不足で絞り込み  政府、子育て新制度で」より 2014/03/11 )

■待機児童などを解消する「量的拡充」の財源は確保

新制度は、消費税増税分を活用した社会保障拡充の柱のひとつで、財源は保育の「量的拡充」と「質の改善」に振り分けられる。保育施設や認定こども園などを増やす「量の拡充」については、微減にとどまり4070億円が確保されたが、「質の改善」は当初の6865億円を大きく下回り、3003億円となった。

「量的拡充」は、以下のような枠組みで行われるという。

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■保育士の配置基準や待遇を見直す「質の改善」の財源は半減

「質の改善」の財源は、保育士の配置基準の見直しの給与などに充てられるが、財源の縮小に合わせて、施策に優先順位を付けて絞り込んだ結果となった。

当初は、消費税率を10%に引き上げた場合、保育士の給与を5%アップすることを検討していたが、3%アップにとどめるという。また、保育所などの職員1人当たり園児数を減らす職員配置の改善は、3歳児だけとなり、1歳児や4〜5歳児については改善を見送った。

保育所などの職員1人当たり園児数を減らす職員配置改善は3歳児だけとし、職員給与のアップも当初の最大5%増から3%増にとどめる。



当初は6870億円と推計していた保育士の手厚い配置などの「質の改善」は3千億円とした。職員配置改善のうち3歳児を除く、1歳児と、4~5歳児は見送る。



(47NEWS「保育士給与改善幅を圧縮へ 4千億円不足で絞り込み  政府、子育て新制度で」より 2014/03/11 12:37)

■子ども・子育て会議では、保育士の処遇改善を求める意見も

この具体案をうけて、12日に子ども・子育て会議が行われた。駒崎弘樹氏によれば、会議に参加した委員からは「職員の待遇改善」など以下のような意見が上がったという。

■森少子化担当大臣「政府は1兆円を目指していく」

子ども・子育て会議には急遽、森雅子少子化担当大臣が出席。「政府は1兆円を目指していく姿勢に変わりはない」として以下のように語ったという。

森氏が語ったように、政府は以下のように、2012年から重ねて「1兆円超程度の財源が必要であり、政府はその確保に最大限努力する」としている。

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■政府は、財源確保によって本気で少子化対策に取り組む姿勢を示せるか

一方で、2013年から財源の確保が必要と分かっていながら、財源捻出のの手だてを取ってこなかった政府の対応を指摘する報道もある。

消費税以外の財源は政府の「子ども・子育て会議」が発足した昨年4月よりも前から不足が分かっており、「確保が急務」と言われ続けていた。結局この間、何ら新たな財源捻出の手だては取られなかったことになり、政官の怠慢は明らか。急ぎ確保を求めたい。



気がかりなのは、制度開始までまだ1年あるにもかかわらず、政官に満額確保への意欲が感じられないこと。子育て会議の事務局は「7000億円をベースに(新制度を)議論してほしい」と弱気で、田村憲久厚生労働相も「優先順位もある」。



(愛媛新聞ONLINE「子育て新制度の財源 確保できず「質」削るのは怠慢」より 2014/02/23)

不足する4000億円の財源確保の見通しは立っていない。各自治体では新制度の準備が進められつつあるが、このままでは新制度の一部しか実施されない恐れがある。

「子ども・子育て支援新制度」における事務は、内閣総理大臣が主たる責任を有し、企画立案から執行までを一元的に内閣府において所管するとされている。また安倍晋三首相は「成長戦略の中核」に女性の活用を掲げている。女性の活用には、待機児童の解消をはじめとした少子化対策が不可欠だ。政府は責任を持って、1兆超円の財源を確保するべきだといえるだろう。

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