渡辺喜美氏、8億円は「個人的な借入。必要なもろもろの費用」

みんなの党の渡辺喜美代表が多額の借り入れを報告せずに受けていた問題で、渡辺氏は事実関係を大筋で認めたが、あくまで「個人の借り入れ」であることを強調し、今後も返済を続けていくとした。
時事通信社

みんなの党の渡辺喜美代表が化粧品大手ディーエイチシー(DHC)の吉田嘉明会長から、多額の借り入れを報告せずに受けていた問題で、渡辺氏は3月27日に議員総会で所属議員に説明したあと記者会見し、事実関係を大筋で認めたが、あくまで「個人の借り入れ」であることを強調し、今後も返済を続けていくとした。

渡辺氏は吉田氏から「結いの党」の分党に関する手続きを進めるよう求められていたことを明かし「多額のお金を融通してくれた方であっても、譲ることのできない一線がある」とした。

資産報告書の記載と食い違っていることについては「単純ミス」として修正する意向を示したが、議員や党代表辞職などは否定した。

渡辺氏によると、吉田氏からの借り入れは2010年に3億円、2012年に5億円。うち2010年分は約2億5千万円を返済した。2012年分は利息のみ返済しているという。

使途は「個人口座にお振り込み頂いたので、純粋に私の借り入れとして裁量で使い道を考えてきました」と説明。「明らかに選挙に必要なお金」という吉田氏の説明とは食い違いを見せた。一部はみんなの党へ貸し付ける形を取ったが、それ以外の使い道は「私が政治家として生きていく上で必要なもろもろの費用」とし、「生きていく上で、政治資金を使うべきでない支出ってのがどうしても出てくるんですね。会費とか交際費とか旅費とか、全部政治資金を使うというのにはふさわしくない支出もございます。そういったことについては、私の個人財産や可処分所得から払ってきた。従って吉田会長からの借り入れについても、同じレベルのものとして私が裁量を持って使わせてきて頂いています」と述べた。

吉田氏からは2013年12月にみんなの党からの離党を宣言した「結いの党」の会派離脱と、参院予算委員会の1議席を結いの党に分け与えるよう求められたという。

これに対し、結いの党が維新と共同で消費増税を容認する予算修正案を提出したため、「何をやるかより誰と組むかを優先してしまったので、最終的に参院予算委員会は増税凍結を徹底して訴えようと、結いの党に議席を割譲しなかった」と語った。

吉田氏からは、結いの党の会派離脱を巡って「できないのなら、考えるところがありますよ。今まで支援してきたことを、江田(健司・結いの党代表)さんにも話しますよ、世間にも公開しますよ」「言うことを聞かないのであれば、渡辺代表の追い落としも考えるよ」と言われていたと話し、「大変残念ですが、私も政治家としての矜持がありますので、国会内のこと、政策あるいは路線について多額のお金を融通して頂いた方であっても、譲ることができない一線だけは守りたいと今日に至っております」と釈明した。

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