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「銀座に若いママ、もっと来て」 仕事・子育てイベントを仕掛ける狙いは

2014年04月11日 20時59分 JST | 更新 2014年05月26日 23時00分 JST
Bloomberg via Getty Images
A family walks through the Ginza district of Tokyo, Japan, on Monday, Feb. 15, 2010. Japan's economic growth accelerated last quarter as a global trade revival fueled demand for the nation's exports. Photographer: Kimimasa Mayama/Bloomberg via Getty Images

銀座が子育てと仕事を考える女性がもっと輝く自分に会える街に--。仕事と育児の両立を支援するNPO法人【仕事と子育て】カウンセリングセンター(坂東眞理子理事長)は、銀座三越と銀座通連合会4丁目支部会と共同で、子育てや仕事、暮らしをテーマとしたイベントを4月9日から展開している。ブランドの街・銀座の昨今と今回のイベントについて、共催する銀座通連合会4丁目支部会の支部長で老舗出版社・書店「教文館」社長の渡部満さん(63) は「銀座に子育て世代の若いお母さん、お父さんらにもっと来てほしい」と話した。

イベントの開催期間は4月22日までの2週間。期間中、若い子連れ夫婦の世帯が増えている東京都中央区の中心地・銀座の街と銀座三越9階を学びの場と位置付けて、女性の様々な働き方や自分らしい働き方で社会復帰する方法、子育てや暮らしをより楽しくするヒント、子どもの健やかな育ちに関することをテーマにしたトークショーやセミナー、ワークショップ、相談会など様々な各種イベントを繰り広げている。

問い合わせはNPO仕事と子育てカウンセリングセンター事務局03-5565-4923まで。

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インタビューに応じる銀座通連合会4丁目支部会支部長の渡部満さん

■銀座で買い物することにプライド持つ昔からのお客さん多い

渡部さんへのインタビューは次の通り。

銀座は変わってきています。昔はオシャレをして出かける街だったのが、今ではたくさんの若い人が気軽にやって来るようになった。土日にもなると、子連れの若い夫婦が目立ちます。そんな変化が今回のイベントの発想と結びつきました。

イベントは、銀座通連合会4丁目支部会として街全体で一緒にやります。教文館はビルの6階に子供の本を専門的に扱う「ナルニア国」を設けていたので、初めにお話がきました。さらに支部会で話したら、(婦人靴・紳士靴の)銀座ヨシノヤさんやパンの木村屋總本店さん、子供の服の専門店銀座いさみやさんなども協力することになりました。

例えば、いさみやさんは銀座三越さんと協力して子供ファッションショーを開きます。両方とも子供服を売っている競合店ですが、力を合わせます。

三越さんは、松屋銀座さん、プランタン銀座さんと競合しますが、この三つのデパートは数年前から「ギンザファッションウィーク」と銘打った催しを開いています。共同で企画した商品を販売したり、共通する紙袋を使ったりしています。

このように街全体を活性化させようという流れが、数年前から強くなっています。かつてに比べたら、多くの老舗は低迷しています。アベノミクスの恩恵も感じられない。うち(教文館)なんかは難しいところで、古いお客さんが多いんですよ。昔、銀座で働いていたりしてなじみがあり、いまでも銀座で買い物をすることにプライドを持っている。一方で、若い人や子供向けに切り替えるのは簡単ではないです。

私たちのような小さい商店は、三越さんのような大きな店と今回のようにコラボすることによって私たちのやっていることを世に知らしめて頂く一つの機会になります。新聞でも紹介してもらえる。お互いにウィンウィンでやりましょうという話で喜んで協力できるし、お互いの利益になります。

■「一張羅」の街からから子連れの若い夫婦の街へ

私は80年代から30何年間、この会社(教文館)に勤めてきました。銀座はかつて、外からやってくる人が一張羅を着て来るドレスコードがあるような感じの街でした。通りには大きなデパートや老舗とかが並ぶ一方、裏通りには企業がたくさんあり、たくさんのサラリーマンがいました。また昼間は奥さま方が買い物に出てきた。そんな街で、子供や若い人は寄り付かないというのが昔の銀座でした。若い人たちは渋谷や新宿に行っていましたよ。

でも最近は、サラリーマンが少なくなりました。バブルの後、どんどん外資が入ってきました。地価が下がって外国資本の世界的なトップブランドが進出してきました。裏通りも、かつては会社が並んでいたところに、ファッション関係や飲食関係などいろいろな店が進出しています。

2000年代半ばくらいから、H&MやZARAなどファストファッションの店が目立つようになりました。FOEVER21が松坂屋に出店し、GAPも新たに店を設けました。若い人向けに比較的低価格の物を売る店がたくさん出て来て、それをめがけた人の流れができています。

有楽町駅周辺が再開発されたことも大きいです。戦後からずっと続いてきた小さな店がなくなる一方で、デパートの有楽町マルイができた。マルイは若い人向けです。若い人がマルイからプランタンに向かい、マロニエ通りを抜けて銀座に出て来る流れが出来ました。中国人やタイ人などアジア人を中心に、銀座を訪れる外国人も増えました。

もう一つは、湾岸部にどんどんマンションが出来て人口が増え、そこから子連れの若い夫婦が子供を乗せたバギーを引いて出かけてきているという変化です。こういったように、来客層が変わってきました。

■子連れの客の受け入れ態勢、整ってきた

今までは、どちらかというとキャリアウーマンというか、お金を持った働く女性に向けたファッションが主流でした。でも今は、子供ができたから仕事を辞めるわけじゃなくて、子育てしながら働こうという流れがあります。そこに今回、NPO法人【仕事と子育て】カウンセリングセンターのコンセプトが重なってきたということです。

若いお客さんが増えているのだけれど、まだうまく対応できていません。親が買い物をする間、子供を受け入れる場所が少ないんです。

郊外のショッピングセンターなら、オモチャ売り場に子供の遊び場がある。銀座は全然違っていて、子供のためのスペースをさく場所が少ないんです。でも最近では、例えば三越さんが新しいビルを作った際に託児を設けています。親が買い物をしている間、子供を預かってくれます。松屋さんも授乳室を広げました。変わってきています。

教文館でも、ナルニア国で子供への読み聞かせや、読み聞かせをする人たちを育てるセミナーを開くなどしています。

2020年には東京オリンピックが開かれます。銀座にどうやって、オリンピックのお客さんや沿岸部に住んでいる人たちに来てもらうかという交通網の話が盛んです。いま、いろいろと協議をしています。商売のチャンスだと思っています。

最近、日本橋は新たな商業ビルがオープンして勢いづいています。歩ける距離ですから、あちらからも人が流れてくればいいですね。

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渡部満(わたべ・みつる) 東京生まれ。1982年に教文館に入社し、2005年より社長。

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