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【韓国旅客船沈没】億万長者で宗教団体の創始者...船オーナーの素顔とは

2014年04月25日 15時09分 JST | 更新 2014年04月26日 23時11分 JST
EPA時事

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[ソウル 24日 ロイター] - 詐欺事件で収監された億万長者、別名を使いルーブル美術館で展覧会を開いた写真家、宗教団体の創始者──。韓国南西部沖で沈没した旅客船「セウォル号」を運航していた会社のオーナー一族のトップ、兪炳彦(ユ・ビョンオン)氏は様々な顔を持つ。

かつて経営破たんも経験した現在70代の兪氏は、1987年に同氏が率いる宗教団体の信者32人が自殺した事件で、取り調べを受けたこともある。

検察は、16日に起きた沈没事故に関連し、兪氏の自宅を家宅捜索した。

兪氏と同氏家族の代理人を務める弁護士はロイターに対し、検察側から出頭要請はないとし、同氏の知る限りでは、会社の資金繰りに不正はなかったと説明。「兪氏とその家族は、運営会社の大株主として、必要ならば、法的・社会的責任を負う」と語った。

旅客船の運航会社「清海鎮海運」は現在、兪氏の息子2人が経営する持ち株会社が筆頭株主となっている。

検察は清海鎮海運の事務所も捜索。また、税務当局は同社の資金調達に問題がなかったかどうかを調べている。

弁護士は、パリのルーブル美術館で開かれた展覧会にも参加したとことがある写真家の「アへ」が、兪氏と同一人物であることを認めた。アへは自身のウェブサイトで、家族が大戦中に日本にわたり、1941年に自身が京都で生まれたとしている。

またアへは自身について、家財道具や健康関連商品をデザインしたり、発明したりすることにも興味があるなどと記している。

<経営破たん>

兪氏が築いた企業グループは1990年代に急拡大したが、その後、持ち株会社「セモ」が経営破たん。会社資料によると、清海鎮海運は1999年2月24日に設立された。設立日は、裁判所がセモの再建を認める1日前で、同社はセモグループの海運事業の中核となった。

キリスト教福音派の教団を立ち上げた兪氏は1992年、詐欺罪で懲役4年の判決を受け、収監された。裁判の記録によると、兪氏は事業拡大の資金に充てるため、教団信徒の資産を流用したとされている。

兪氏は、1987年にソウル近郊の工場で、同氏の教団の信徒32人が自殺した事件で、取り調べを受けた。ただ、訴追はされず、兪氏は、雑誌のインタビューで事件への関与を否定した。

1999年のインタビューで兪氏は「事件と結び付けられたと考えただけで、侮辱を受けたと感じている」とコメント。

さらに同氏は「小さな村で突然、性的暴行を受けた女性のように感じる。不公平だが、ここ(韓国)の文化でそのことは誰にも話せない。そうなれば、デマが手が付けられないほど広まっていく」と話していた。

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