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チェルノブイリの事故から28年、原発依存を強めるウクライナ

2014年04月26日 21時27分 JST | 更新 2014年04月26日 21時39分 JST
EPA時事

1986年に起きたチェルノブイリの原発事故から、4月26日で28年が経った。事故収束にむけた作業が進められる一方で、発電所のあるウクライナはロシアとの対立が緊迫。エネルギーを確保するために原発依存を強めている。

■2015年に完成する新しい石棺

現在のチェルノブイリでは、「シェルター」と呼ばれる新しい石棺の整備が主な作業になっている。

事故直後から放射性物質の封じ込め作業が行われ、1986年12月にはコンクリート製の石棺で、事故を起こした4号機が覆われた。しかし、半年という短期間の工事であったため、隙間が多いなどの構造上の問題が当初から指摘されていた。耐久年数も30年と見積もられ、2013年2月には雪の重みで屋根と壁の一部が崩落する事故も起きている。

そのため、ソビエト連邦が崩壊してウクライナが独立すると、西側諸国からの支援で石棺を見直す動きが活発化。日本を含む世界各国から資金が集められ、新しい石棺の整備が始められた。

新シェルターは高さ108m、長さ150m、幅260mという巨大な蒲鉾型。4号機の西側にある空地で組み立てられ、レール上を移動して現在の石棺ごとすっぽりと覆う。内部にはクレーンや空調などが整備され、シェルターの中で石棺や設備の解体作業を行うことができるとされる。

建設費は9億9000万ユーロ(約1050億円)が見込まれており、完成予定は2015年10月。耐久年数も100年と長くなる。

■エネルギーでもロシアから自立したいウクライナ

チェルノブイリが廃炉に向かって進んでいる一方、ウクライナはエネルギーに占める原発の比率を上げる方向で進んでいる。

事故直前、ウクライナには15基の原発が稼働していた。現石棺の整備後には、事故にあわなかったチェルノブイリ1号機〜3号機も再稼働。新シェルターの建設資金提供と引き換えに閉鎖されたが、当時建設中だった他の4つの原発も含め、現在15基が稼働。さらに2基が建設中となっている。

ukraine nuclear power plant map

ウクライナが原発依存を強めるのは、政治だけでなくエネルギー分野でもロシアから独立したいとする考えがあるためだ。

ウクライナでは2010年時点で、総発電量の48.1%を原発で賄っているが、国全体で見ると、石油・天然ガスの70%以上をロシアから輸入しており、高い依存状態となっている。ソ連時代からパイプラインを通って安価な天然ガスが送られてきており、これまでに「天然ガス紛争」を繰り返してきた。

このような状態から脱却するためには、自国のエネルギー事情を改善する必要があり、そのためには今は原発を止められない。2013年7月に閣議了承された2030年までのウクライナエネルギー戦略では、2030年までに原発での発電電力量を現在の約1.5倍にする計画とした。

■ロシアからの燃料輸入を西側に切り替えるウクライナ

エネルギー分野でロシアへの依存を減らすため、ウクライナは原発の燃料を、ロシアからではなく西側からの供給に切り替える動きがある。

東芝の子会社でアメリカの原発設備大手ウエスチングハウスは4月11日、ウクライナの国営原発・エネルゴアトムに燃料棒を供給する契約を、2020年まで延長すると発表した。ウェスティングハウスは2020年までに、ウクライナへの核燃料供給の約20〜25%を目指すとしており、今回の契約は同社のヨーロッパでの事業の5〜10%に相当するという。

この報道に対しロシアのロゴジン副首相は26日、Facebookに「もし、ウクライナの原発でのアメリカ製核燃料の使用が決定されれば、ウクライナはチェルノブイリの原発事故から教訓を得ていないことを意味する」と投稿。ロシア製原発でのアメリカ製燃料の使用について警告している。

ロゴジン副首相の警告は、ウクライナやチェコなどのソ連製原発で、ウエスチングハウスの燃料が問題を起こしたことが背景にあるとみられる。

2012年、ウクライナ原子力監督庁はWestinghouse社の製品の使用を禁止していた。同社の製品は以前ユジノ・ウクライナ原発に供給されていた。ところが1年にも満たない期間で核燃料棒を使用した作業に支障が出始め、数箇所のブロックで作業の停止を迫られた。その修復のためにロシア人専門家らが呼ばれている。(中略)

 

ウクライナはソ連製の施設でWestinghouse社の燃料を使って否定的な結果が引き起こされた唯一の国ではない。かつて、チェコのテメリン原発でWestinghouse社の燃料を使ったために気密化が失われる事故がおきている。その事態のあと、チェコはこの燃料の供給をやめている。原発の修理および新たな燃料の購買に何百万ドルもの出費がかかった。


(The Voice of Russia「グローバルな核の大惨事をひきおこしかねないウクライナ新政権」より 2014/04/11 16:18)

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