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「アナと雪の女王」ヒットの裏に日本の独自戦略あり

2014年04月27日 20時22分 JST | 更新 2014年05月20日 22時34分 JST
「アナと雪の女王」

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『アナ雪』ヒットの背景に日本独自戦略

ディズニー映画『アナと雪の女王』の勢いが止まらない。中でも劇中歌「Let It Go」は日本中で口ずさむ人が続出という現象を起こし、ついにGWには映画館で「みんなで歌おう!」上映企画が開催。YouTubeにも「歌ってみた」動画が多数アップされている。映画と音楽の幸福なシナジーを生んだ背景には、日本独自のプロモーション戦略があった。

映画『アナと雪の女王』が空前のヒットとなり、主題歌「Let It Go」も世界中で人々の心をつかんでいる。しかし日本での成功は、「大人の女性ターゲット」という独自戦略が大きく功を奏しているようだ。

「大人の女性は娯楽に活発な志向があります。この層をつかめば、自ずとほかの層にも波及するだろうというのが狙いでした」(ウォルト・ディズニー・ジャパン/井原多美氏)

大人の女性に刺さると確信できたポイントは何よりも楽曲の素晴らしさ。全編に「Let It Go」が流れるミュージッククリップさながらの予告編は、インパクト充分だった。

「本作はアニメーションである以前に、本格的なミュージカルです。しかしディズニー映画というと、どうしてもキッズ&ファミリー中心と捉えられてしまう。そこで日本独自に『ドラマティック・ミュージカル』という言葉を開発し、「Let It Go」を全面に打ち出したプロモーションを展開しました」(井原氏)

ところが本国側は当初、「本格的ミュージカル」を打ち出すというやり方に難色を示していたという。

「アメリカでは従来通りキッズを対象に、雪だるまのオラフとトナカイのキャラクターを全面に出して展開しました。しかもミュージカル色を出しすぎると客層が限定されるため、ミュージカル映画であることを隠していたくらいです」(井原氏)

しかし、少子高齢化が進む日本では、「キッズ層だけではもったいない。大人の女性が心から楽しめる映画に」と判断。また昨年の映画『レ・ミゼラブル』の興収から、「日本にはミュージカル映画のマーケットがある」という推測もできた。吹き替え版の見事な訳詞も、観客の心をつかんだ要因だろう。

「楽曲の素晴らしさをいかに日本語で伝えるかに、全力を挙げました。歌詞の内容はもちろん、たとえばサビは語尾の母音を『オ』で揃えて、英語と日本語の口の動きを合わせるといった工夫をしています」(同社/目黒アーチー氏)

リアル店舗でのサントラ売上のシェアが高いのも特徴的だ。「当社のCDの売上シェアは、平均で38%がECです。ところが本作は20%と、圧倒的にリアル店舗で売れています。恐らく、劇場で映画を観た帰りに購入される方が多いのだと思われます」(エイベックス・エンタテインメント/藤田茂氏)

日本語版の楽曲のクオリティの高さもあり、字幕版を観た後に吹き替え版も観るという観客も多いようだ。また、歌を聴きたいとライブ感覚で足を運ぶ人も多いという。

「『歌いたい』という要望も多いので、今年は「Let It Go」の拡散をテーマに、みんなで歌えるような企画を実施します」(目黒氏)

「今後は、1日のライフスタイルに合わせたリミックスやカバーを制作し“朝から晩までLet It Go”といった感じで楽曲の魅力をアピールしていきたいです」(藤田氏)

4月26日からは3Dの吹き替え版が公開。また5月3日発売のサントラDX盤で、松たか子バージョンの劇中歌が初CD化される。ディズニー音楽の新たなスタンダードナンバーとして期待される「Let It Go」の勢いはまだまだ続きそうだ。(ORIGINAL CONFIDENCE 14年4月28日号掲載)

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