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『美味しんぼ』の鼻血描写に双葉町が抗議「差別を助長させる」

2014年05月07日 22時57分 JST

漫画「美味しんぼ」において、福島第一原発を訪れた主人公が鼻血を出すなどの描写があった問題で、双葉町は5月7日、「福島県民への差別を助長させる」と抗議文を発表した。

今回の問題となっているのは、4月28日に発売された小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」に掲載された「美味しんぼ」の描写。福島第一原発を訪れた主人公が鼻血を出す、疲労感に襲われるといった描写や、浪江町の前町長、井戸川克隆氏が実名で登場して、「福島では同じ症状の人が大勢いますよ。言わないだけです」と話す様子が描かれている。

この描写をめぐって、風評被害や差別を助長する、といった批判が集まり、小学館の編集部は、「鼻血や疲労感の表現は、綿密な取材に基づき、作者の表現を尊重して掲載させていただきました」「鼻血や疲労感が放射線の影響によるものと断定する意図は無」い、などとするコメントを発表。5月19日に発売する25号で、識者の見解や批判を集めた特集記事を掲載すると予告している。

原作者の雁屋哲氏は自身のブログで、描写と原発との関連を示唆。今後の「美味しんぼ」で「もっとはっきりしたことを言っている」と予告した。

私は批判している人たちに反論するべきなのだが、「美味しんぼ」福島篇は、まだ、その23,その24と続く。

その23、特にその24ではもっとはっきりとしたことを言っているので、鼻血ごときで騒いでいる人たちは、発狂するかも知れない。

今まで私に好意的だった人も、背を向けるかも知れない。

私は自分が福島を2年かけて取材をして、しっかりとすくい取った真実をありのままに書くことがどうして批判されなければならないのか分からない。

真実には目をつぶり、誰かさんたちに都合の良い嘘を書けというのだろうか。

「福島は安全」「福島は大丈夫」「福島の復興は前進している」

などと書けばみんな喜んだのかも知れない。

今度の「美味しんぼ」の副題は「福島の真実」である。

私は真実しか書けない。



(「雁屋哲の今日もまた」より 2014/05/04)

こうした経緯をうけ、双葉町は抗議文を発表。「鼻血等の症状を町役場に訴える町民が大勢いるという事実はない」「復興を進める福島県全体にとって許しがたい風評被害を生じさせている」と厳しく批判。また、双葉町に事前の取材が全くなかった、としている。

小学館への抗議文



平成 26 年 4 月 28 日に貴社発行「スピリッツ」の「美味しんぼ」第 604 話において、前双葉町長の発言を引用する形で、福島県において原因不明の鼻血等の症状がある人が大勢いると受け取られる表現がありました。

双葉町は、福島第一原子力発電所の所在町であり、事故直後から全町避難を強いられ

ておりますが、現在、原因不明の鼻血等の症状を町役場に訴える町民が大勢いるという

事実はありません。第 604 話の発行により、町役場に対して、県外の方から、福島県

産の農産物は買えない、福島県には住めない、福島方面への旅行は中止したいなどの電

話が寄せられており、復興を進める福島県全体にとって許しがたい風評被害を生じさせ

ているほか、双葉町民のみならず福島県民への差別を助長させることになると強く危惧

しております。

双葉町に事前の取材が全くなく、一方的な見解のみを掲載した、今般の小学館の対応

について、町として厳重に抗議します。



平成26年5月7日
福島県 双葉町

■「美味しんぼ」は放射線の影響を描いたのか

放射線の影響で鼻血が出ることはあるのか。少なくとも低線量ではない、というのが学術的な見解だ。

放射線による急性障害で嘔おう吐と や下痢、鼻血が出ることはあります。しかし、急性障害がおこる可能性のあるのはあくまで事故の現場で作業をしている人たちについての話で、一般の人たちは急性障害がおこるほど高い放射線量の被ばくはしていません。

したがって、鼻血やのどの痛み、倦怠感などの症状があっても、それは被ばくによるものではなく、別の原因によるものでしょう。



(gooベビー「鼻血やのどの痛み、倦怠感は被ばくの症状ではない」より)

問題となった「美味しんぼ」の回でも、鼻血を出した主人公・山岡士郎が病院で診察を受けており、医師が「福島の放射線とこの鼻血とは関連づける医学的知見がありません」と言ったのに対し、山岡が「うっかり関連づけたら大変ですよね」と答えるシーンが描かれている。

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