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スマホ、積極活用か脱却か 使わない社員に奨励金出す企業も

2014年05月16日 14時55分 JST | 更新 2014年05月16日 14時56分 JST
MIXA via Getty Images

ビジネスパーソンにとって、スマートフォン(スマホ)は情報収集に欠かせないアイテムになりつつある。新入社員研修用のスマホアプリを導入する企業も出てきた。その一方、「スマホ依存」を危惧し、私用スマホを使わなければ社員に奨励金を払う企業もある。

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「上司に報告する際は結果から先に伝えることが重要だとか、上座、下座といったビジネスマナーなどを、大学に通う電車の中で学ぶことができました」

不動産ベンチャー「イデアル」(東京都渋谷区)に今春、入社した星野奈津記さん(22)はそう話す。イデアルが今年1月、新入社員の研修用に新たに導入したスマホの研修アプリ「モバイルナレッジ」を利用した。

このモバイルナレッジ、経営コンサルティング会社「トーマツイノベーション」(東京都千代田区)が昨秋、開発した。研修は120テーマごとに分かれている。名刺交換や敬語の使い方などのビジネスマナーや個人情報保護や法令順守といったコンプライアンス、社会人としての意識や体調管理などの社会人の基本習慣、給与や仕事の流れといった会社の仕組みなど社会人全般に共通する基礎をクイズ形式で学び、1テーマにかかる時間は約3分だ。

「カフェで待ち合わせしている間やテレビのCMの間、寝る前のちょっとした空き時間に取り組むことができます。パソコンと違って電源のあるところなど場所を選ぶ必要はないし、もちろん紙のテキストを持ち歩く必要もありません」

トーマツイノベーションのコンサルタント、渡辺健太さんはそう説明する。

就職活動をする大学生の約9割がスマホを持っており、現在、情報収集に欠かせない「就活生の必需品」になっているという。スマホを有効活用することで、中小企業にとって新人研修にかかる大きな負担を減らせるし、また新入社員を入社後1日も早く戦力にできるという利点があるという。

また、地方の内定者を研修の際に東京などの本社に呼び寄せるための交通費をカットでき、また卒業論文や卒業旅行などを抱える学生を長期間拘束する必要もなくなる。

モバイルナレッジは現在、約100社が導入しているという。

 

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イデアル新入社員の(左から)片桐快斗さん、鶴田佑介さん、星野奈津記さん=東京都渋谷区

スマホを積極的に活用する企業がある一方で、「脱スマホ」に奨励金を出す企業も出てきた。

産業機械の部品メーカー岩田製作所(岐阜県関市)は2013年7月から、私用でスマホを使わなければ社員に月5千円の「デジタルフリー奨励金」を払う制度を始めた。90人の社員のうち36人が手を挙げた。37人いる20代社員からは5人だったという。

岩田修造社長(66)のアイデアだ。

(中略)休憩時間もスマホに没頭する社員が現れ、社内の会話が明らかに減った。「折に触れ弊害を考えるよう伝えてきたが臨界点。制度として明確にした」

岩田社長の持論は「人と話す、本を読む、字を書く、辞書を引く、考える。そうしたアナログ的時間と空間が増えれば、判断力が増し、表現力がつき、他人を思いやる力がつく」。だから「10年も続ければ企業として相当の競争力がつくはずだ」。

(朝日新聞デジタル「(へぇな会社)岩田製作所 スマホ禁止、つながる社員」)

企業でのスマホ重視と脱スマホ。あなたはどう考えますか。