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ガンホー、中国版「パズドラ」を年内展開へ

2014年05月20日 20時16分 JST
Reuters

ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765.T>の森下一喜社長は20日、主力のスマートフォン用ゲーム「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」の中国語版を年内に現地でサービス開始すると明らかにした。すでに現地パートナーを選定し、中国のユーザーに合わせた仕様の調整に入っているという。東京で開催された「ロイター日本投資サミット」で述べた。

2012年2月に国内でパズドラを開始して以来、急拡大する同社は、今後の成長ドライバーを海外展開に置いている。

パズドラはすでに、米国、カナダ、韓国、欧州7カ国、台湾、香港の12の国・地域に進出。森下社長によると、海外市場だけで700万ダウンロードを突破した。次の展開として、これまで「準備中」としていた中国市場について、初めて具体的に語った。

森下社長はパズドラの中国語版について、「中国市場はダイレクトに展開するのは不可能。現地パートナーはすでに絞り込んだ。現在、中国の言葉だけでなく、現地ユーザーに合わせた調整を行っている段階で、リリーススケジュールを協議している」と述べた。

中国でのサービス開始に関しては、「われわれもパートナーも、早く出したい気持ちはあるが、現地ユーザー向けの調整に時間をかけている」といい、「年内の早い時期」とするにとどめた。

<M&Aは規模を抑えて数を増やす>

今後の海外展開ではM&Aも検討する。昨年は、ソフトバンク<9984.T>と共同でフィンランドのスマホ用ゲーム大手「スーパーセル」を買収した。 森下社長は買収を検討する対象について、「基本は(ガンホーやスーパーセルのような)ゲームデベロッパーをメーンに考えるが、ゲームを提供する上での周辺ビジネスも視野に入れる」と述べた。

スーパーセルの取引は総額1515億円、ガンホーは約300億円を負担する大型買収だったが、森下社長は「1社で300億円がベストというわけではない。今後は、より数を増やした戦略投資を行っていきたい」と語った。

<市場調達は「したくない」>

3月末の現預金は480億円。今後の資金調達については、「毎月100億円近くがキャッシュとして積み上がっているので、市場調達する必要性はあるわけではない」と指摘した。

森下社長は、公募増資などの市場調達について「われわれは無借金経営でやっている。2005年に株式上場してから市場調達は3億円しかしていない。市場調達も借金に変わりないので、なるべく借金はしたくない」との考えを示した。

大型投資を実施する場合は「スーパーセルでソフトバンクと組んだように戦略的な提携関係で、他の企業と組むことも考える」と語った。

<国内パズドラの伸び継続>

一方で、森下社長は、国内のパズドラについても「全くピークアウトはしていない」と強調。国内ダウンロードは、4月23日現在で2700万件を突破した。足元でも毎月100万件のペースで伸びており、2800万件は「もう目前」という。

パズドラは、スマホ用アプリケーションソフトの売り上げ首位を維持している。

アップルの「App Store(アップストア)」の売上高ランキング(トップセールス)でも、約1年半に渡って首位を独走してきた。今月15日に初めて、ミクシィ<2121.T>のスマホ用ゲーム「モンスターストライク(モンスト)」に抜かれて2位になったが、翌日には1位に順位を戻した。

首位からいったん陥落したことについて森下社長は、「嬉しいことではないが、彼らはその日の48時間に、ゲーム内の『ガチャ』のお祭りイベントでARPU(ユーザー1人あたり収入)を一気に伸ばしたことが原因で、一時的な現象」との認識を示し、今後も首位の維持に自信を示した。

一方で、森下社長は「ユーザーあたりの売上高(ARPU)ではなく、月に1回以上ログインする利用者(MAU)を増やすことが重要」と指摘。その上で「ARPUを一気に上げればゲームは疲弊する。だから、ARPUが上昇した翌月は、ARPUを下げる調整をしている。ゲームを長期的に育てるためにやっていることで、ここが他のゲーム会社との違いだ」と強調した。[東京 20日 ロイター]

*内容を追加しました。

(村井令二 編集:宮崎大 田中志保)

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