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池上彰氏が、テレビで「自分の意見」を言わない理由

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AKIRA IKEGAMI
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池上彰、テレビで「自分の意見言わない」理由

ニュース解説でおなじみのジャーナリスト・池上彰氏(63)。タブーを恐れず相手に斬りこんでいく様は「池上無双」とも呼ばれている。一方で「自分の意見は言わない」という姿勢を貫き、唯一無二の存在感を放っている。では、なぜ自分の意見を言わないのか? 池上氏は「ビジネスを意識しているなんて言ったら、黒いよね」と不敵な笑顔を見せながら、その理由を語った。

今回の取材は、CS「テレ朝チャンネル2」の報道番組『津田大介 日本にプラス』の収録後に行われたもの(池上氏の出演回は6月2日に放送)。「テレビに出る時の服装はスタイリストにお任せ。でも、きょうはスタイリストをつける予算がないということで、自前です(笑)」といった雑談も、テレビで観る印象と全く変わらない。

池上氏は、慶應義塾大学卒業後、NHKに入局。社会部記者やニュースキャスターを歴任し、1994年より11年間、『週刊こどもニュース』でお父さん役を務めて人気となった。2005年よりフリーランスのジャーナリストに転身し、現在に至る。

池上氏は「NHKの報道は客観的に公正、公平、中立でなければならないと叩きこまれてきました。自分の意見は述べてはいけなかったんですね。NHKでずっとやってきたことが、民放テレビ局でビジネスとして成り立ったということですよね」とあえてブラックな言い方をする。

「いざ、フリーランスになる決意をしたら、どうやって食っていくかという問題もありますし、人と同じことをやっていても生き残れない。人と違う自分の強みは何かを考えた時に、『自分の意見を言わない』というニッチな需要を見つけたんです」。

池上氏にとって転機は2つ。一つは、平成元年(1989年)にニュース番組のキャスターに抜てきされたことが大きかったという。「それまでは記者として特ダネをつかむことばかり考えていたんですが、ほかの記者が書いたニュース原稿を読む立場になって、なんてわかりにくいんだろうと思った。ニュースをわかりやすく伝えることの大切さを痛感したんです」。

もう一つは、やはり『週刊こどもニュース』。ここで、ストレートニュースと一緒にその経緯や背景を解説する“池上スタイル”が確立された。

「以前、台湾の総統選挙をめぐって、中国が嫌がらせで軍事演習をしたことがあったのですが、このニュースを『週刊こどもニュース』で扱った時、なんで中国と台湾は仲が悪いんですか? と聞かれたんです。えー、それを知らないのか、そうだったのかと(笑)。多くの人が学校で現代史というものを学んでいない。そこで、また見つけてしまったんです。現代史というニッチなニーズを」とニヤリ。

現代史の新たな“教科書”として出版された『池上彰そうだったのかシリーズ』はベストセラーとなり、2012年には東京工業大学リベラルアーツセンターに教授として招かれ、日本や世界の現代史などの講義を受け持っている。目のつけどころは間違っていなかった。

池上氏といえば、取材や執筆活動に専念するため、「テレビ・ラジオ出演を控える」と宣言した矢先の2011年3月に東日本大震災や福島第一原発事故が起こり、民放各局の報道特番への出演オファーは途絶えず、今年4月からはテレビ朝日系『ここがポイント!池上彰解説塾』(毎週月曜 後9:00)でレギュラー冠番組が復活した。

「この3年間に、のべ40以上の国と地域に取材に行き、本も40冊くらい出したかな(笑)。十分、充電できたと思いますし、結局、自分は“説明したがり”なんだと思いました」。

この日の池上氏は、ナイロン素材のオーソドックスなビジネスバッグのほかに、資料が詰まった紙袋を2つ持ち、一方の紙袋からは世界地図がはみ出ていた。多忙な日々を送る池上氏の健康維持の秘けつは「ストレスを溜めないこと。嫌な仕事は受けない」と番組関係者もいる前で即答する無双ぶり。「楽しんでできる仕事だけ受けています」とピリ辛な物言いで場を和ませる達人でもあった。

◆テレ朝チャンネル2『津田大介 日本にプラス』
隔週月~木 後8:00~8:50※再放送あり

“ソーシャル・メディアのカリスマ”津田大介氏(40)がメインキャスターを務め、さまざま分野で活躍するゲストを招き、政治・経済・社会・カルチャーなど注目の話題をピックアップして、「日本にとってプラスとなる提案」をする報道番組。

池上氏は6月2日放送の「#19ジャーナリズムの巨人に聞く 第3弾 池上彰×津田大介 縦横に語る50分」に出演。池上氏との共著『メディアの仕組み』で対談もしている津田氏は「ジャーナリズムの巨人と紹介したら、『進撃の巨人』で切り返してきた池上さんは、さすがにつかみ上手。サービス精神のかたまり。プロ中のプロだと思いました」と感服していた。

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