NEWS

原発再稼働はどうなる? 原子力規制委、安全審査の地震担当を再任せず

2014年05月30日 21時08分 JST
時事通信社

九州電力の川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)について、周辺住民らが5月30日、運転差し止めを求める仮処分を鹿児島地裁に申請した。時事ドットコムなどが報じた。

再稼働の前提となる安全審査が進む九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)について、周辺住民ら23人が30日、「耐震安全性が著しく不十分」として、九電を相手に運転差し止めを求める仮処分を鹿児島地裁に申請した。



(時事ドットコム「川内原発「差し止めを」=住民が仮処分申請-鹿児島地裁」より 2014/05/30 13:03)

川内原発をめぐっては、23人を含む22都府県2242人が原告となった運転差し止め訴訟が同地裁で係争中だ。原告住民らは「再稼働が迫る中、判決を待てば手遅れになる」と申し立てを決めたという。

【川内原発の関連記事】

■川内原発の安全審査、3つの指摘

川内原発は、原子力規制委会の優先審査を受けており、全国の原発で一番早く再稼働する可能性がある。しかし、安全審査では、以下のような様々な問題が指摘されている。

・地震

仮処分申請の申立書では、大飯原発の運転差し止めを命じた福井地裁判決を根拠に「想定を越える地震は発生し得る」としている。

申立書では、2005年以降、全国の4原発で5回、想定の地震動を超える地震があったとした福井地裁判決を根拠に、「川内原発が想定する揺れの大きさは過去の地震に基づく算出にすぎず、想定を越える地震は発生し得る」「いったん再稼働すれば、その間に大地震に伴う原発事故が起こり得る」としている。



(西日本新聞「川内原発稼働差し止めを 地元住民が仮処分申し立て」より 2014/05/30 11:22)

・カルデラ噴火

火山学者は、広範囲に被害をもたらすカルデラ噴火のリスクを指摘している。

火砕流の到達距離が100キロを超えるなど、広範囲な地域に大きな被害をもたらカルデラ噴火。九電と原子力規制委は、川内原発の半径160キロ圏内に位置する複数のカルデラが、破局的な噴火を起こす可能性は十分に低いうえ、全地球測位システム(GPS)などによる監視体制を強化すれば、前兆を捉えることができるとの見解だ。

しかし、火山学者からこうした見方に異論が出ている。(中略)予知ができれば、原子炉を停止した上で、核燃料を火砕流が届かない場所に移すことになるが、核燃料の搬出は、数カ月程度では終わらない作業だ。



(ロイター「焦点:川内原発審査で火山噴火リスク軽視の流れ、専門家から批判」より 2014/05/30 17:08)

・避難時間

鹿児島県は30日、原発事故が起きた場合、30キロ圏内の住民の避難に29時間近くかかるとの試算結果を発表した。

鹿児島県は、川内原発での事故に備えて半径30キロ圏内の住民およそ21万人について、自家用車を使って避難する際にかかる時間をコンピューターで試算しました。

その結果、最も早い避難は、車1台に4人が乗り合わせ、混雑する交差点で交通整理が行われる場合で、9時間15分となりました。一方で、最も時間がかかるのは、車1台に2人しか乗らず、主要道路の南九州西回り自動車道が通行できない場合で、28時間45分となりました。



(NHKニュース「川内原発 避難に最大29時間も」より 2014/05/30 07:00)

■原子力規制委の人事、地震担当の島崎氏を再任せず

安全審査が進められるなか、政府は27日、原子力規制委員会の人事案を国会に提出した。地震などの自然災害を担当した島崎邦彦委員長代理ら2人に代わり、日本原子力学会元会長の田中知(さとる)東大大学院教授と、東北大の石渡明教授を新たに任用するという。

9月に任期満了を迎える地震・津波担当の島崎邦彦委員長代理(68)と、海外機関との調整を担当した大島賢三委員(71)の2人の退任が固まった。



田中氏は原子力安全工学などの研究者で、日本原子力学会会長や東京電力福島第1原発の事故原因などを調べる同会事故調査委員会の委員長などを歴任した。石渡氏は、規制委の日本原子力発電敦賀原発(福井県)の破砕帯調査で、中立的な立場から規制委の判断を評価する検討会合(ピアレビュー)の座長などを務めている。



(MSN産経ニュース「規制委、島崎氏ら退任へ 政府提示 後任に原子力学会元会長」より 2014/05/28 08:08)

■「島崎氏外し」は、原発再稼働に向けた地ならしとの声も

安全審査に厳格だった島崎氏を外した人事案は、政府が原発再稼働に向けて地ならしを行っているの指摘もある。

「島崎氏外し」の動きは、これまでも露骨だった。 地震学を専門とする島崎氏は、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の原子炉直下の断層を活断層と認定し、関西電力大飯原発3、4号機(同)では震源となる断層の深さの見直しを求め、電力会社に一歩も譲らなかった。そのため再稼働は大きく遠のいたとされる。経済への影響を理由に再稼働を急ぐ政府や、経営改善を目指す電力業界は、いらだち、規制委への圧力を強めていた。



(愛媛新聞ONLINE「原子力規制委人事 再稼働への誘導は許されない」より 2014/05/30)

■日本原子力学会元会長の起用、規制委の中立性に影響は

2012年に発足した規制委は、政府と一線を画した独立性を保った組織である。原発の積極利用を訴えてきた日本原子力学会元会長の田中氏を起用することは、規制委の中立性を損なわれると危惧する声もある。

衆院議員の河野太郎氏は、ブログで「原子力委員会の委員長及び委員には就任できないとする規定に抵触する」と指摘している。

014年4月22日附けで、東京大学 田中知教授から原子力規制委員会あてに提出された「透明性・中立性の確保に関する自己申告書」をみると、日本原子力産業協会の役員を過去2011年から2012年まで務めていたと記載されている。(中略)田中知教授は、直近の3年間に「原子力事業者及びその団体の役員、従業員等であった者」は原子力委員会の委員長及び委員には就任できないとする規定に抵触する。



(河野太郎公式ブログ「ちょっと待った、その人事| ごまめの歯ぎしり」より 2014/05/29 09:48)

※原発再稼働の安全審査や規制委の人事について、どう考えますか? あなたの声をお聞かせください。

ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています

ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています

関連記事

日本の主な原子力発電所と関連施設