国立競技場、単独ライブを行ったのはわずか6組 伝説の音楽イベントを振り返る

5月31日のファイナルイベント「SAYONARA 国立競技場 FINAL FOR THE FUTURE」を最後に、7月から解体工事が始まる国立競技場(東京都新宿区)。1964年に開催された東京オリンピックのメイン会場だったこの場所は、スポーツの聖地として知られているが、音楽のコンサートやライブの単独公演を行ったグループやアーティストはこれまで6組しかおらず、音楽ファンにとっては憧れのステージだった。国立競技場で行われた、豪華な音楽公演の数々を振り返ってみる。
時事通信社

5月31日のファイナルイベント「SAYONARA 国立競技場 FINAL FOR THE FUTURE」を最後に、7月から解体工事が始まる国立競技場(東京都新宿区)。1964年に開催された東京オリンピックのメイン会場だったこの場所は、スポーツの聖地として知られているが、音楽のコンサートやライブの単独公演を行ったグループやアーティストはこれまで6組しかおらず、音楽ファンにとっては憧れのステージだった。この単独の6組の公演も含め、これまで国立競技場で行われた、豪華な音楽公演の数々を振り返ってみる。

DREAMS COME TRUE

国立競技場で公演を行った主なアーティスト

国立競技場で初めてコンサートが行われたのは1985年。吉田拓郎、松任谷由実、佐野元春、チェッカーズなどのアーティストが集結した「ALL TOGETHER NOW by LION」という大規模野外イベントだった。2013年に当時のライブ音源で構成したラジオ番組「ALL TOGETHER NOW 2013 by LION」を放送したTBSラジオによると、松任谷由実、坂本龍一、加藤和彦、高中正義、高橋幸宏、後藤次利が一夜限りで組んだバンド、「サディスティック・ユーミン・バンド」が「タイムマシンにおねがい」を演奏するなど、今では考えられない幻のセッションが実現したという。

1996年には、「3大テノール日本公演」として、世界10都市ワールドツアーの初公演として開催され、世界3大テナーである、ルチアーノ・パヴァロッティー、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスの人気オペラ歌手が集結した。

■単独公演を行うようになったのは2000年以降

国立競技場で単独公演を行うようになったのは2000年以降で、初めて単独公演をしたのは「SMAP」。スポーツの競技場でコンサートが行われることは珍しいことではないが、国立競技場は天然芝の保護などの問題があり、審査がとても厳しい。SMAPも3年越しの交渉で、2005年に実現を果たした。

国立でのコンサートはSMAPの悲願だった。騒音問題などもあり、同所でのコンサートが許可されるのはまれ。競技場側と3年越しで交渉し、ようやく実現にこぎつけた。5大ドームなど全国の大規模会場で無事故でコンサートを行ってきた実績が評価された。

(スポニチ「SMAP 史上初の国立競技場単独ライブ」より 2005/06/03 20:19)

2組目の単独ライブとなったのは、2007年に開催された「DREAMS COME TRUE」の「DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2007」で、2日間で12万人を動員した。3組目の「嵐」は2008年以降、6年連続単独ライブを行っている。2010年には最多の4日間連続公演を行うなど、6年間で15公演を記録し、国立競技場で最も多く単独公演をしたグループだ。

最も多い観客動員数を記録したのは2012年に4組目の単独公演を果たした「L'Arc-en-Ciel」。2014年に開催した公演では1日8万人、2日間で延べ16万人の動員数を記録した。同年、3月に「ももいろクローバーZ」が史上5組目で、女性グループとしては初めての単独公演を開催。さらに4月には「AKB48」が2日間の公演を行う予定だったが、2日目の公演は荒天のため中止となった

そして、5月17日と18日に、国立競技場での最後の単独公演を飾るはずだった、ポール・マッカートニーは体調不良のため両日とも公演が中止。幻の国立競技場公演となった。

そして、改築前の国立競技場を利用できる最後の週となった、5月28日、29日の2日間に渡り「JAPAN NIGHT」が行われた。初日公演はいきものがかり、ウカスカジー(桜井和寿&GAKU-MC)、岸谷香、ゴスペラーズ、ナオト・インティライミ、ファンキー加藤、ゆずらが登場。2日目には、SEKAI NO OWARI、Perfume、MAN WITH A MISSION、L‘Arc-en-Cielという豪華アーティストらが出演し、国立競技場の“最後”の音楽イベントは華々しく幕を閉じた。

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