「SHIBUYA-AX」閉館 13年半営業も「仮設」扱いだった

国立競技場が56年の歴史に幕を閉じる5月31日、そこから約3キロメートルほど離れた場所に立地する、東京・渋谷の国立代々木競技場の敷地内にある大型ライブハウス「SHIBUYA-AX(アックス)」も最終日を迎える。氣志團や、Dragon Ash、UVERworldなど、若者から支持を集めるミュージシャンを中心に3671公演を行い、観客約440万人を動員した。
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国立競技場が56年の歴史に幕を閉じる5月31日、そこから約2キロメートルほど離れた場所に立地する、大型ライブハウス「SHIBUYA-AX(アックス)」も最終日を迎える。氣志團や、Dragon Ash、UVERworldなど、若者から支持を集めるミュージシャンを中心に3671公演を行い、観客約440万人を動員した。2000年に開館し13年半の長きに渡り営業していた施設が、実は「仮説」扱いだったと朝日新聞デジタルが伝えている。

AXが立っている土地は、もともと代々木競技場の駐車場だった。日テレと電通がそこに目をつけ、競技場を管理・運営する文部科学省所管の独立行政法人、日本スポーツ振興センター(JSC)に賃貸を申し入れた。しかし、代々木競技場一帯は第2種中高層住居専用地域のため、建築基準法の規制で興行施設が建てられない。そこで規制の対象外となる「仮設物」として造り、1年ごとに渋谷区の許可を得ていた。

許可が出続けたのは「周辺は敷地に余裕があり、安全や防火の面で支障がなかったから」と、渋谷区建築課の加藤健三課長は説明する。ただ、「仮設でこれほど長期に営業する例はほかにない。干支(えと)で一回りしたので、そろそろ区切りをつけようと厳しく伝えた」という。日テレの古野氏も「当初は10年で一区切りと考えていたが、好評で延長した」と打ち明ける。

(朝日新聞デジタル「SHIBUYA―AX終幕 「仮設」扱いで13年半運営」より 2014/05/31 13:52)

AXはスポーツ振興と関わりがないことも以前から問題視され、スポーツ振興関連なら免除になる固定資産税も、2002年度からは年間約3000万円が課されるようになった。2010年秋に行われた事業仕分けでも「目的外の業務で好ましくない」と指摘されていた。JSCが閉館を決めたのは2012年10月で、翌年に開催が決まった東京オリンピックと直接の関係はないという。

閉館後は取り壊され、東京オリンピックでは、ハンドボール会場となる代々木競技場の関係者用駐車場になる予定だという。

最終日の31日は、「MUSIC MONSTERS SPECIAL 2014 SAYONARA-AX」が行われ、the pillows、9mm Parabellum Bullet、WHITE ASHの3組が最後のAXのステージに立つ。

国立競技場ファイナルイベントで展示飛行したブルーインパルスはAXの上空も飛んだ。

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