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「マタハラ」を受けたことのある女性約3割 原因1位は「男性社員の理解不足」

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JGI/Tom Grill
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働く女性が妊娠や出産をきっかけに職場でいやがらせを受けたり、解雇されたりする「マタニティ・ハラスメント」、通称マタハラ。日本労働組合総連合会(東京都千代田区、連合)の非正規労働センターは5月にマタハラの実態をつかむため、働く女性を対象に調査を実施、約3割の人がマタハラ被害者であることがわかった。連合では1年前にも同様の調査を行っているが、被害の実態に改善がみられず、今後も女性が妊娠、出産しても働き続けられる環境整備や意識変革が必要としている。連合では6月10日、11日にマタハラやセクハラ、パワハラなどの相談を受ける一斉電話相談を実施する。

■マタハラ改善策は「企業の制度整備と理解促進」が5割超

調査は5月27日から29日まで、全国で在職中の20代〜40代の女性634人(うち妊娠経験なしの女性は315人)を対象にインターネットを使って行われた。正規社員は311人、非正規社員は323人。

調査結果によると、「マタハラ」という言葉を知っている人は62.3%で昨年の20.5%に比べて大幅に増えていた。しかし、「自分がマタハラ被害者である」という人は26.3%で、昨年の25.6%から微増。「周囲に被害者がいる」と答えた人も27.3%と、昨年の23.2%より増加、依然としてマタハラは行われていることが浮き彫りになった。

実際に受けたマタハラとしては、「妊娠中や産休明けなどに、心ない言葉を言われた」(10.3%)、「妊娠を相談できる職場文化がなかった」(8.2%)、「妊娠・出産がきっかけで、解雇や契約打ち切り、自主退職への誘導などをされた」(5.6%)、「妊娠中・産休明けなどに、残業や重労働などを強いられた」(4.7%)などがあった。

なお、連合にはこれまで次のような相談が寄せられている。

妊娠して、つわりが酷いので遅刻すると、支店長から「届けを出さないと懲戒にするぞ」、年休を申請すると「妊娠してしんどいというのは許さない。年休も半休も認めない」、つわりで気分が悪くてトイレ行くと「便所で何を戻してきた」と言われる。周りの職員は協力してくれるが、支店長だけは「俺は男だからわからない」と言って暴言を吐く。子どもができれば辞めるしかないと思っている。
(30代/正社員/複合サービス事業/近畿)

入社時に妊娠していることを会社に話し、育児休暇や職場復帰後の託児所利用のことまで了解をとっていた。先日かかりつけの医師から切迫流産の恐れがあるので来週から出産するまで入院を勧められた。会社に報告したところ、退職勧奨や嫌がらせを受けている。
(30代/パート/医療・福祉/東海)

妊娠したので産休、育休を取りたいと思っている。上司に話すと「立ち仕事であり販売接客業務はみっともないので早めに休んでくれ」と言われた。
(30代/正社員/卸売・小売業/関東)

マタハラの原因として、最も多かったのは「男性社員の妊娠出産への理解不足・協力不足」が66.1%だった。続いて、「フォローする社員への評価制度や人員増員などケア不足」を挙げた人が39.3%だった。また、「女性社員の妊娠・出産への理解不足・協力不足」が38.6%で、必ずしも同性である女性が味方とは限らない現状も明らかになった。

マタハラを改善する方法としては、「企業内での制度整備と、企業の理解促進」が最多の51.9%、次に「育児に携わった女性の管理職・経営陣への登用」が51.1%となっている。
続いて、「職場での適切な人員補充」(44・0%)、「行政による保育園や学童保育制度の改革」(38.8%)、「男性社員が育児に参加できる制度整備や実行できる空気づくり」(38.0%)だった。

この結果を受け、連合では「男性の育児参加制度整備や空気づくり、育児に携わった男性の登用への期待も高く表れた」としている。

■「ハラスメントで仕事を辞めた人」は約3割

また、マタハラ以外にもセクハラ・パワハラの被害に遭ったことのある人は49.2%と約5割にものぼった。正規社員と非正規社員でその割合はほぼ変わらず、雇用形態によらずにハラスメントを受けたことのある女性が多かった。ハラスメントの状況は改善されたという実感がないと答えた人も49.6%と5割近かった。

一方で、ハラスメントを実際に受けた時の対応として、最も多かったのは、「我慢した」で31.4%。「諦めて仕事を辞めた」という人も25.2%だった。この割合は、非正規社員が正規社員の約2倍にのぼり、特に非正規社員の女性の立場が弱いことが明らかになった。

それを裏付けるように、「今、ハラスメントを受けた場合はどう対処しますか?」という問いに対して「会社と交渉したり環境を良くするのは大変だから仕事を辞めると思う」という人は21.8%と最多だった。

しかし、女性が働きながら子育てすることについては、「できるなら自分の希望として働きながら子育てしたい」(47.9%)、「経済的な理由で働きながら子育てをしなければいけないと思う」(33.4%)という回答が多く、実に8割以上の女性が働きながら子育てしたいとしている。

■「女性の貧困問題」に「自分も関係がある」8割超

調査では、保育園や学童保育など子どもを預けられる環境が、仕事選びやキャリア形成に影響したかも質問している。これに対し、「非常に影響がある」(31.5%)、「ある程度影響がある」(48.4%)と合わせて約8割の女性が「影響がある」と回答した。

影響を軽減するには何が必要かという問いには、「保育園などの託児施設の増設・増員」が最多で53.1%。「配偶者(夫)が育児参加できる職場や社会の環境整備」(39.6%)を挙げる人もいた。

また、最近では「女性の貧困問題」が盛んに報道されてるようになっているが、「どう感じているか?」という質問では、「いつか自分もそうなるのではないかと不安に感じている」(65.3%)をはじめ、「すでに当てはまりつつあり、悩んでいるがどうしたらいいかわからない」(7.4%)など、自分に関係があると思っている人が8割を超えていた。

■6月10日、11日に女性のための全国一斉労働相談

こうした状況を受け、連合では6月10日、11日の午前10時から午後7時まで、働く女性のために全国一斉労働相談を実施する(フリーダイヤル:0120−154−052)。特設ページはこちらから。

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