日本の先生、勤務時間は世界最長 授業外で多忙、一方で低い自己評価

経済協力開発機構(OECD)は、加盟国など世界34の国と地域の中学校にあたる学校の教員に勤務や指導環境を調査した。日本の教員の仕事時間は1週約54時間で、参加国平均の約38時間を大幅に上回った一方、指導への自信が参加国・地域の中で最も低いことが分かった。
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経済協力開発機構(OECD)は、加盟国など世界34の国と地域の中学校にあたる学校の教員に勤務や指導環境を調査した。日本の教員の仕事時間は1週約54時間で、参加国平均の約38時間を大幅に上回った一方、指導への自信が参加国・地域の中で最も低いことが分かった。日本が調査に参加したのは初めて。

2013年の国際調査「国際教員指導環境調査」(TALIS)の結果で、調査は2008年以来2回目。日本では、全国から抽出した国公私立中学校192校の教員3484人と校長から回答を得た。

調査結果では、1週間の勤務時間は加盟国平均の38.3時間に対し、日本は53.9時間で最長だった。授業とその準備などに費やす時間はほぼ変わらないものの、部活など課外活動指導7.7時間(平均2.1時間)、事務作業5.5時間(同2.9時間)など、授業以外に費やす時間が飛び抜けて高かった。授業の時間は17.7時間で平均の19.3時間より短かった。

各国の1週間の勤務時間と授業時間

校外で行う研修への参加率も低く、8割以上が「仕事のスケジュール」を理由に挙げた。

一方、教員の基本的能力に対する自己評価が著しく低かった。

学級運営や教科指導といった「指導力」に対する自己評価はいずれも参加国平均を大きく下回った。「学級内の秩序を乱す行動を抑えられるか」の問いに「非常によくできている」「かなりできている」と答えた教員は計52.7%で、参加国平均(87.0%)より30ポイント以上少ない。「生徒に勉強ができると自信を持たせる」も同様に、日本は合わせても17.6%と参加国平均の85.8%を大きく下回った。「勉強にあまり関心を示さない生徒に動機付けをする」も同21.9%で、参加国平均を50ポイント近く下回り、教員の基本的能力に対する自己評価が著しく低かった。

(毎日新聞「中学教諭:日本の教員働き過ぎ 1週間53.9時間で最長」より 2014/06/25 19:47)

調査結果を受け、文部科学省は教員を増やすことなどを対策にあげた。

文部科学省は「幅広い業務が重なり子どもたちの指導に集中できず、能力開発も十分行えずにいる実態が浮き彫りになった。教員を増やすなど体制の充実を図っていきたい」と話しています。

(NHKニュース「日本の教員 勤務時間最長 自己評価低い」より 2014/06/25 18:11)

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