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故宮博物院展「翠玉白菜」が大人気 キティちゃんとのコラボも【画像】

2014年06月28日 23時47分 JST
猪谷千香

東京国立博物館で開催されている特別展「台北 國立故宮博物院」。宋から清の時代にかけ、1000年にわたって築かれた皇帝コレクションを中心に、故宮博物院は優れた文化遺産を所有している。その収蔵品70万件の中から、選りすぐりの230件が来日。アジアで初めて展覧される名品ばかりだが、特に7月7日までの期間限定で展示されている門外不出の名宝「翠玉白菜」をひと目見ようと、連日長蛇の列ができている。混雑状況をツイートしている公式Twitterによると、6月28日の土曜日は雨天だったにも関わらず、最大で4時間待ちだったという。

■「翠玉白菜」は「純血」と「多産」の象徴?

今回、初めて台湾海外で展示される「翠玉白菜」(清時代、18〜19世紀)。台湾でも行列ができるというこの「翠玉白菜」の見どころをまず紹介しよう。

「翠玉白菜」は、みずみずしい白菜を量感豊かに表現した翡翠の彫刻で、正面向かって右側の葉の上にキリギリス、左側の葉の上にはイナゴがとまっている。葉脈や虫の脚といった細部にいたるまで、繊細な彫刻がほどこされている。

中国では新石器時代から、「玉」と呼ばれる美しい石を加工、さまざまな工芸作品が生み出されてきた。「翠玉白菜」もその伝統をくむ。翡翠は色彩の濃淡がくっきりしており、清代以降、それを活かした玉器工芸が流行した。「翠玉白菜」も、石が持つ元来の色彩を、見事に白菜の白色と緑色に活用。玉器工芸の最も完成された作品であり、今もなお多くの人々を魅了している。

最後の皇帝・溥儀(ふぎ)が退去した故宮で1924年、「翠玉白菜」は故宮博物院を開館する準備のための調査で初めて発見された。場所は「永和宮」。光緒(こうしょ)帝に嫁いだ妃が暮らした寝宮だった。こうしたことからも、白菜というモチーフは、白さが「純血」を、虫は「多産」の象徴とする説が有力だ。

今回、特別展では人気キャラクター「ハローキティ」とのコラボ雑貨を販売している。中には、受注生産という7万円のぬいぐるみもあり、人気を集めている。

■皇帝が愛した玩具箱「多宝格」を体験

「翠玉白菜」以外にも、故宮博物院の逸品が展示されている。「中国皇帝コレクションの淵源―礼のはじまり」のゾーンでは、古代中国で重用された「青銅器」と「玉器」の祭器を紹介。これらは清代の皇帝が、自らの帝王としての正統性を誇示するために収集対象となっていた。

「徽宗コレクション―東洋のルネサンス」では、北宋の皇帝、徽宗(きそう)が最も愛したといわれる青磁の「青磁輪花碗」(せいじりんかわん)が出展。「北宋士大夫の書―形を超えた魅力」では、厳正に科挙を運用、文治主義による官僚政治が行われた北宋時代の書画を紹介する。

宋、元、明の時代、中国では江南で経済が発展、イスラム地域やヨーロッパとの対外交易も活発化した。科学芸術が成熟した時代であり、その上に清朝の優れた工芸が生まれた。その時代の流れを俯瞰、景徳鎮の陶磁器などが「中国工芸の精華―天と人との競合」で展示されている。

このほか、「乾隆帝コレクション―中国伝統文化の再編」では、「皇帝の玩具箱」とも呼ばれる観賞用の宝箱「多宝格」が出展されている。小さな陳列棚がある箱の内部には、古代の玉器や磁器のミニチュアが整然と収められている。皇帝コレクションの縮図ともいえるもので、「紫檀多宝格」は一辺わずか25センチほどの四角い紫檀製の箱の中に、30点もの器物がみられ、乾隆(けんりゅう)帝の愛玩品という説もある。展示室はこの「多宝格」を再現したデザインとなっており、訪れた人自らが「多宝格」の宇宙を体感できる仕掛けとなっている。

「翠玉白菜」や九州国立博物館での巡回展で展示される「肉形石」に次ぐ故宮博物院の人気者、玉器工芸「人と熊」も「清朝宮廷工房の名品ー多文化の交流」で見ることができる。

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