京都府警パトカー、145キロで緊急走行しスピード違反の赤切符

パトカーに赤キップが切られていた
Sean Murphy via Getty Images

兵庫県警が3月、京都府警のパトカーをスピード違反で検挙していたことがわかった。20代の男性巡査長が運転していたパトカーが兵庫県内の中国自動車道で緊急走行中に、速度違反自動監視装置(オービス)に45km超過と測定され、道交法違反(速度超過)の疑いで書類送検された。MSN産経ニュースなどが報じた。

府警監察官室によると、2人は今年2月2日、高速道路上で当て逃げ事故が発生したとの通報を受け、通報者が待機する中国自動車道西宮名塩サービスエリアに急行。兵庫県内を走行していた午後2時50分ごろ、速度違反自動監視装置(オービス)に速度超過と測定された。

(47NEWS「緊急走行パトカー書類送検 速度超過容疑で京都の警官」より 2014/06/28 12:56)

高速道での緊急時最高速度は時速100kmだったが、パトカーは145kmで走行していた。府警高速隊は「被害の全体像が見えない中、一刻も早く通報者の元に到着しようとしてしまった」と説明しているという。

道路交通法は、交通違反車両の取り締りや凶悪犯の追跡などの場合には、警察車両が緊急時最高速度の100kmを超えて走行することを例外的に認めているが、兵庫県警は速度超過の正当性はないと判断した。

検挙した兵庫県警では「現場に早く到達しなければならない緊急性があるなら、他府県警と連携すればよいことで、速度超過の正当性はない」と判断。3月14日に神戸区検に書類送検し、同区検は同25日に不起訴処分(起訴猶予)とした。府警監察官室は「再発防止に努める」とコメントした。

(毎日新聞「スピード違反:145キロで緊急走行…パトカーに赤切符」より 2014/06/28 09:45)

スポニチによると、京都府警は運転していた巡査長を所属長訓戒とし、パトカーに同乗していた40代の男性巡査部長を本部長注意とした。府警の担当者は「緊急走行中のパトカーが摘発されるのは珍しい」と話したという。

■パトカーは「無敵」じゃない? ネットに寄せられた素朴な疑問

ネット上では、「こんなことあるの?」や「パトカー、無敵かと思ってた」など驚きの声が多数寄せられていたが、パトカーは「無敵」ではない。過去には警察車両が「駐車違反」で反則切符を交付されるという事例もある。

パトカーや救急車といった緊急車両は、生命に関わる場合などは道交法違反の除外対象となるが、緊急性がなければ認められない。

「そもそも180kmのスピードメーターもいらんだろ」という疑問もTwitterに投稿されていた。日本の道路は最高速度が100kmなのに、なぜスピードメーターは180kmまであるのかということは、多くの人が抱く疑問だが、TOYOTAの「こどもしつもんコーナー」では、次のように解説している。

日本での最高速度の規制(きせい)は時速100kmですが、坂道(さかみち)や重い荷物を乗せたり、多人数で乗ったりするときにも、速度の維持(いじ)や、交通のさまたげにならないように余裕(よゆう)が必要です。そして、加速して危険(きけん)をさけなければいけないこともあるため、制限(せいげん)速度以上の速度が出るようになっています。

たとえば、坂道や重い荷物をのせて多人数で乗るときに、加速して危険をさけようとすると、より速度に余裕が必要となります。

(TOYOTA「こどもしつもんコーナー」)

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