69年目の広島原爆の日、平和宣言で「子供達の人生を歪めた絶対悪をなくそう」

原爆が広島市に投下されてから69年を迎えた8月6日、広島市の平和公園で「平和記念式典」が開かれた。雨が降り続く中、約4万5000人が参列。レインコートで登壇した同市の松井一実(かずみ)市長が、2014年の平和宣言を読み上げた。被爆した子供達の悲惨なエピソードを紹介するとともに、核兵器を「絶対悪」として廃絶を訴えた。
時事通信社

原爆が広島市に投下されてから69年を迎えた8月6日、広島市の平和記念公園で「平和記念式典」が開かれた。雨が降り続く中、約4万5000人が参列。レインコートで登壇した同市の松井一実市長が、2014年の平和宣言を読み上げた。被爆した子供達の悲惨なエピソードを紹介するとともに、核兵器を「絶対悪」として廃絶を訴えた。

平和宣言の抜粋は以下の通り。

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被爆69年の夏、焼け付く日差しはあの日に記憶の時を引き戻します。1945年8月6日、一発の原発により焦土と化した広島では幼子からお年寄りまで、一日で何万という罪なき市民の命が絶たれ、その年のうちに14万人が亡くなりました。尊い犠牲を忘れず、惨禍を繰り返さないために被爆者の声を聞いてください。

「水をください」。必死の声が脳裏から消えないという当時15歳の中学生。建物疎開作業で被爆し、顔は焼けただれ大きく腫れ上がり、眉毛やマツゲは焼け、制服は熱線でボロボロになった下級生の懇願に「重傷者に水をやると死ぬぞ!」と止められ、耳をふさぐ思いで水を飲まさなかったのです。死ぬとわかっていれば、存分に飲ませてあげられたのにと悔やみ続けています。あまりにも鮮烈な体験ゆえに過去を語らなかった人々が年老いた今、少しずつ話し始めています。

子供達から、温かい家族の愛情や未来の夢を奪い、人生を大きく歪めた「絶対悪」をこの世からなくすためには、脅し脅され、殺し殺され、憎しみの連鎖を生み出す武力ではなく、国籍や人種、宗教の違いを超え、人と人とのつながりを大切に未来志向の対話ができる世界を作らなければなりません。広島は世界中の誰もがこのような被爆者の思いを受け止めて、核兵器廃絶と世界平和実現への道を共に歩むことを願っています。

人類の未来を決めるのは皆さん一人一人であります。あの日の凄惨を極めた地獄や被爆者の人生を「もし自分や家族の身に起きたら」と皆さん自身のこととして考えてみてください。広島、長崎の悲劇を3たび繰り返さないために、そして核兵器のない、戦争のない、平和な世界を作るために被爆者ともに伝え、考え、行動しましょう。私達も力を尽くします

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