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ソフトバンク傘下の米スプリント、TモバイルUS買収交渉を中断

2014年08月06日 19時30分 JST | 更新 2014年08月06日 19時30分 JST
ROBYN BECK via Getty Images
A patron exits a T-Mobile store in Glendale, California, on August 1, 2014. Shares in T-Mobile jumped on July 31 on a report that French telecommunications firm Iliad is bidding to buy the US wireless service carrier. AFP PHOTO / Robyn Beck (Photo credit should read ROBYN BECK/AFP/Getty Images)

[5日 ロイター] - ソフトバンク<9984.T>傘下の米携帯電話会社スプリントがTモバイルUSの買収交渉を中断した。複数の関係筋が明らかにした。ソフトバンクはTモバイルUSの親会社ドイツテレコムとTモバイルUS買収で大筋合意していたが、米規制当局の承認を得ることは難しいと判断した。

ソフトバンクは昨年7月に米携帯電話第3位のスプリントを買収して米携帯電話市場に参入したが、米国は最大手ベライゾン・コミュニケーションズと同2位のAT&Tが大きなシェアを占めており、スプリントは苦戦を強いられている。

ソフトバンクは米携帯電話4位のTモバイルUSを買収することで、3社による競争に持ち込もうとしていたが、米連邦通信委員会(FCC)や米司法省反トラスト局は大手携帯電話会社が4社から3社に減ることは競争上問題だとして難色を示していた。関係者によると、日本の当局にも承認は難しいとのメッセージを送ってきていたという。

スプリントは当面、単独での事業展開を余儀なくされるが、前途多難だ。業績はコスト削減などで改善方向にあるものの、依然として顧客流出が続いている。海外シナジー推進を担当するソフトバンクの藤原和彦常務執行役員は5月14日、ロイターの取材に対して、「健康体になるところまでは努力でいけるが、成長するにはやはりトップラインが伸びてくる必要がある。今年後半から来年にかけて、どういう絵が描けるかが試金石になってくる」と語っていた。

通信情報通信総合研究所の清水憲人主任研究員はスプリントについて「年間に必要な設備投資額と利息の支払額を合計すると、年間の営業キャッシュフローでは賄えない。何か起爆剤がないと、今のままだとジリ貧になる」と厳しい見方を示した。

5日の米株式市場の引け後取引で、スプリント株は15.66%、Tモバイル株は8.85%、それぞれ下落した。

ただ、関係筋によると、買収交渉はひとまず中断するが、環境に変化があれば再び買収を模索する可能性がある。ドイツではテレフォニカによる独イープラス買収が認可されたことで、携帯電話会社が4社から3社に減ることが決まった。欧州委員会は当初、買収には難色を示していたが、条件付きながら買収を認めた。米国でも競争環境に対する認識に変化の兆しが出てくれば、ソフトバンクが再び動き出す可能性がある。

関係筋によると、スプリントは6日にソフトバンク子会社で米携帯電話卸売大手ブライトスターのマルセロ・クラウレ最高経営責任者(CEO)を次期CEOに指名する。

TモバイルUSをめぐっては、仏通信会社イリアドも買収を提案しているが、ドイツテレコムは同提案に懐疑的な見方を示している。

レコン・アナリティクス(ボストン)のアナリスト、ロジャー・エントナー氏はTモバイルUSの先行きについて「間違いなく、米衛星放送会社ディッシュが(Tモバイルの)パートナーになる可能性がある。あるいはイリアドが提案内容を見直すかもしれない」と指摘。「スプリントの提案がある限り、交渉の主導権はドイツテレコムが握っていたが、今ではイリアドにある」と語った。

*内容を追加して再送します。

(Soyoung Kim,Marina Lopes,Liana B. Baker,志田義寧)

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