女性管理職が10%未満の企業が8割 「適齢期の女性いない」「子育て施設が必要」などの声も

安倍政権は、女性の活用を「成長戦略の中核」と位置づけ、「指導的な地位を占める女性の割合を、2020年までに30%」とする目標を掲げている。公共事業で女性の登用を入札条件の1つにする動きがあるなど、女性の活躍を推進する取り組みを進めている。
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安倍政権は、女性の活用を「成長戦略の中核」と位置づけ、「指導的な地位を占める女性の割合を、2020年までに30%」とする目標を掲げている。公共事業で女性の登用を入札条件の1つにする動きがあるなど、女性の活躍を推進する取り組みを進めている。

実際に、企業では女性の管理職は増えているのか。企業の取り組みは進んでいるのか。信用調査会社「帝国データバンク」が8月14日に発表した、全国の2万3000社余りを対象に行い、1万1017社が回答した「女性登用に対する企業の意識調査」を紹介する。

■企業の8割「女性管理職が10%未満」

調査によると企業の8割において、女性の管理職が10%に満たないことが明らかになった。さらに、女性管理職が「いない」企業は、過半数の51%に上った。

■企業の2割「女性管理職は今後増える」、6割「変わらない」

今後、女性の管理職の割合がどう変わるかを調査したところ、2割の企業は「増加する」と回答。しかし、女性の役員が「増加する」と回答したのは6.3%にとどまり、女性役員が増加するとは見込んでいないことが明らかになった。

■企業の4割「女性の登用、進めている」

女性の登用については、45%の企業が「進めている」と回答。その理由は「男女にかかわらず有能な人材を活かすため」が9割を超えた。そのほか「女性の労働観が変化してきたため」「従業員のモチベーションが上がるため」「将来の人材不足を見据えているため」などの理由が2割を超えたという。

■企業のリアルな声「適齢期の女性がいない」「子育て施設の整備が必要」

地方企業や中小企業の意見には、「意欲と能力のある女性については今後積極的に管理職に登用する必要がある」「営業職は男女比率が半々になるまで、積極的に女性を新規採用していく」「女性が採用担当となり、今後はより女性の登用に力を入れていきたい」といった、女性登用に前向きな意見がある一方で、「女性がいて良いと思うが、もともと適齢期の女性が少ない」「現状では家庭を優先している女性社員がほとんど」「男性中心の労働観が根強く会社に残っている」「雇用も管理職への起用も企業の裁量でまかされるべき。余計なお世話」といった意見も見られた。

女性について「女性自身ももう少し、管理職となるべく努力をしていただきたい」「管理職に登用するが辞める女性も多い」「地方では管理職になりたいと望む女性社員はまだまだ少ない」といった意見も寄せられたという。

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