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【特定秘密保護法】運用基準は「甚だ不十分」とアメリカの安保専門家 民間人に刑事罰のケースも

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日本記者クラブ
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アメリカの安全保障専門家であるモートン・ハルペリンさんが、日本政府が示した特定秘密保護法の運用基準案は「甚だ不十分であり、改定されるべき」とするパブリックコメント(パブコメ)を提出していたことが、8月22日、分かった。

ハルペリンさんは、情報を秘匿することによる公益が公開することによる公益よりも上回ると国民にきちんと説明できないならば、政府は秘密として指定すべきではないと指摘。一方的に政府の見解だけで秘密指定すべきではないとする考えを示した。朝日新聞デジタルなどが報じた。

ハルペリン氏は米政権で長く機密を扱い、ニクソン政権時代にはキッシンジャー元国務長官の腹心として沖縄密約にも携わった。パブコメは同氏が英語で書き、日本語に訳したものをメールで提出したという。
 
運用基準の素案について同氏は「何を秘密指定してはいけないかという指標がない」と指摘。素案で「法令違反の隠蔽(いんぺい)を目的として指定してはならない」としている点について、同氏は「政府は不法行為を隠す目的で秘密にしたとは言わない。違法行為に関する情報の秘密指定を禁じるべきだ」と強調している。
 
(朝日新聞デジタル『(特定秘密法)運用基準「甚だ不十分、改訂を」 米・安保専門家、パブコメ提出』より 2014/08/23 05:00)

2013年12月6日に成立した特定秘密保護法は、2014年12月に施行される見込みだ。政府では現在、何が特定秘密の指定の対象となるのかといった要件や、指定が適切なのかどうかを判断するチェック機関の機能など、同法の運用基準に関する「統一基準」の作成をすすめており、その素案を公開。7月24日から8月24日までの期間で国民から広く意見を募る「パブコメ」の受付を開始した。政府は国民の声をまとめた上で、法律施行までに運営基準を閣議決定する。

ハルペリンさんは、今回のパブコメのなかで秘密の指定理由について、政府役人がただ「国家安全保障への危険を防ぐため」という理由だけで決めるのではなく、「情報公開によってもたらされる公益が、公開によって生じる損害を上回るかどうか」を吟味したうえで決めるべきとしており、「秘密指定の前に、いかにその情報の公開によって生じうる損害が公益よりも上回るのかを説明すべき」と述べている。

■民間人も刑事罰対象になる日本の秘密保護法は特殊

ハルペリンさんはパブコメの中で、特定秘密保護法の刑罰の対象が、公務員だけでなく民間人まで対象になっていることも懸念している。

ハルペリンさんは5月に来日した際に行った日本記者クラブでの講演で、特定秘密保護法については「アメリカの同盟国や緊密な関係にある国々の中でも秘密保護法を持っている国はあるが、日本のものが最悪」と批判。なかでも最大の欠陥と指摘したのは、政府高官などから不適切な方法で入手した特定秘密を報じた記者らに、刑事罰を設けたことをあげた。

ハルペリンさんは、特定秘密保護法などの法津を制定したりする際に各国が守るべきとされている国際ルール「ツワネ原則」では、民間人が国家安全保障に関する情報を漏らしても刑事罰が課されないことがうたわれていると指摘。「アメリカの同盟国、緊密な関係の諸国、北大西洋条約機構(NATO)の国々でも、民間人に刑事罰を設けている国はほとんどなく、たとえ刑事罰があったとしても、公務員に対してであってそれも1、2年の懲役。一方、日本は10年となっており、とても厳しい。最悪のものだ」と述べた。

民間人に刑事罰が課される点については、記者やジャーナリストだけでなく、一般市民も対称となることから、PRESIDENT Onlineは、特定秘密保護法によって国民が逮捕されるかもしれないケースとして、下記のような架空の例をあげて説明している。

ある人が飛行場建設の作業中、機材納入車の運転手との雑談で興味深いことを聞いた。その業者の親会社は、防衛省の高官も天下っている大手ゼネコンの系列企業で、米軍基地の付帯建築物も請け負っているという。契約にはなぜか外資系企業がからんでいたという。
 
作業帰りに現場付近の飲み屋でそのことを仲間と話していたら、たまたま別席にいたゼネコン社員を通じて翌日には政府の役人にも伝わり、数日後に仲間とともに逮捕される。逮捕された彼らは知る由もなかったことだが、その工事業者は日米両政府の密約に水面下で関係しており、業者名や納品内容などは秘密指定されたものだったのだ。
 
(PRESIDENT Online『年内施行が迫る「特定秘密保護法」の本当の脅威』より 2014/08/23)

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