ラウンドアバウトって何? 9月1日から本格運用「信号機のない交差点」

「ラウンドアバウト」と呼ばれるドーナツ型の交差点が、9月1日から日本でも本格運用が始まった。信号機がないのが大きな特徴だ。
時事通信社

「ラウンドアバウト」と呼ばれるドーナツ型の交差点が、9月1日から日本でも本格運用が始まった。信号機がないのが大きな特徴だ。1960年代にイギリスで生まれて各国に広まり、ヨーロッパやアメリカでは一般的となった。事故防止や渋滞緩和などの効果が期待されている。1日に施行された改正道路交通法で「環状交差点」と名付け、標識と通行ルールを定めた。

車は時計回りに進んで、行きたい方向の道路に出ていく構造。事故防止や渋滞緩和などの効果が期待されている。施行されたことで、宮城・愛知などで全国17カ所に導入されたと、毎日新聞などが報じている。

改正道交法が1日施行され、円形の交差点「環状交差点」の新しい通行ルール運用が7都府県15カ所で始まった。信号機がなく、事故防止や渋滞緩和などの効果があるとされる。地元自治体や住民は「ルールが加わり、より安全な交差点になる」と歓迎している。

(毎日新聞「環状交差点:信号なし、新ルールがスタート」より 2014/09/01 19:53)

日本など左側通行でのラウンドアバウトでの自動車の流れ(Wikimedia)

警視庁の公式サイトでは、ラウンドアバウトの通行ルールを以下のように解説している。

◎ 右回り通行

交差点に入るときは、あらかじめできる限り道路の左端に寄り、徐行して進入してください。環状交差点内は、右回り(時計回り)に通行し、できるだけ交差点の側端に沿って徐行してください。

◎ 環状交差点内優先

環状交差点内は、交差点内を通行している車両が優先ですので、交差点内を通行する車両の進行を妨げないようにしてください。

◎ 合図の方法

環状交差点から出ようとする地点の直前の出口の側方を通過したときに、左側の方向指示器を操作し、交差点を出るまで合図を継続してください。

(警視庁「環状交差点の交通規制について」より)

新たに指定された環状交差点の標識

アメリカではラウンドアバウトに変更した交差点は、交通事故が約4割減少したという報告もある一方で、交通量が多い交差点では渋滞が発生しやすいなどの問題があるという。

米国は90年代以降、約2千カ所で整備。連邦高速道路局が10年にまとめた報告によると、55カ所のRAB(編註:ラウンドアバウト)の導入前後の交通事故件数は年1122件から726件に減った。人身事故に限れば296件から72件の大幅減だった。同様の効果はオランダやドイツ、デンマークでも報告されているという。

RABが万能なわけではない。交通量が多い交差点では枝道が渋滞しやすく、環状道の整備に土地の確保が必要なことがある。国交省は改正道交法の施行までに、どのような交差点にRABが適しているのか、設計でどういったことに注意すべきかについて自治体向けにまとめる予定だ。

(朝日新聞デジタル『「まわる交差点」広がるか 海外で普及、事故減を期待』より 2014/08/04 12:27)

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