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スウェーデンでゴミの99%を有効利用する「リサイクル革命」が起きている(動画)

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SWEDEN RECYCLING
Sweden's 32 waste-to-energy incineration plants are working so efficiently, the country must import garbage from other EU countries. | Handout
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スウェーデンで「リサイクル革命」が起きている。同国では、家庭ゴミのうち処理場に埋められるゴミは、もはや1%にも満たない。「廃棄物ゼロ」という理想にさらに近づきつつあるのだ。

平均的なスウェーデン人は、毎年461kgのゴミを出す。これは、ヨーロッパの平均値である525kgよりもやや少ない程度だが、スウェーデンと他国との違いは別のところにある。同国では年間200万トン以上のゴミを焼却する過程で、ゴミの半分をエネルギーに変えているのだ。

2012年からは、国内にある32カ所の廃棄物発電所(WTE:Waste-To-Energy)に「燃料」を供給するため、イギリス、イタリア、ノルウェー、アイルランドのゴミを受け入れているほどだ。

相手国からは処理料が支払われるため、「廃棄物は商品だ。単なる廃棄物ではなく、ビジネスなのだ」と、Swedish Waste Managementのコミュニケーション・ディレクター、アンナ=カーリン・グリプウェル氏はリリースの中で述べている。

グリプウェル氏は従来のゴミ捨て場について、「廃棄物を処理場に埋められたゴミが、メタンガスやその他の温室効果ガスが漏れ出すとすれば、もちろんそれは環境に良くない」と述べる。

トラックで焼却場へ運ばれる前に、ゴミはまず、それぞれの家庭や事業主によって分別される。生ゴミなどの有機廃棄物を分け、ゴミ箱から紙を拾い出し、回収して再利用できそうなものは、すべて取り除けておくのだ。

また、スウェーデンの法律により、製品の製造者は、自社製品の回収とリサイクルまたは廃棄に関わる費用をすべて負担する責任を負っている。たとえば、飲料会社が販売店を通じてビン入りの炭酸飲料を売った場合、飲料会社は、ビンの回収費用だけでなく、関連するリサイクルや廃棄のコストも支払わなければならない。

スウェーデンのリサイクル会社、リターパック(Returpack)社のデータによると、スウェーデン人は全体で1年間に15億個のビンや缶を返却している。再使用またはリサイクルができないものは、通常はWTEの焼却場へ送られる。


ゴミ処理の順番を表すイラスト。「ゴミの選別と削減」のあと「再利用」「素材のリサイクル」「エネルギーの再利用」「埋め立て」となっている。Flickr

WTEでは、炉にゴミを投入して燃やし、その熱で発生させた水蒸気で発電機のタービンを回して発電する。そうして作られた電気は、送電線路を経て、送電網から国中に供給される。

燃焼による熱も、スウェーデンの厳しい冬に各家庭を温める、充実した地域暖房ネットワークに利用されている。

スウェーデン南部の都市ヘルシンボリ(人口13万2989人)では、新たに建設されたファボーナのWTEだけで、同市の熱需要の40%を満たすことができる。

スウェーデン全体で見ると、WTEは約95万世帯に熱を、26万世帯に電力を供給している(2012年のスウェーデン世帯数はおよそ418万)。


スウェーデンのエステルイェータランド県が制作したこの動画は、リサイクルプログラムをわかりやすく説明している。

「覚えておくべき数字がある。3トンの廃棄物は、1トンの燃料油に相当するエネルギーを発生するという数字だ。廃棄物には、まだ多くのエネルギーが残っている」と、同国の大手エネルギー企業、Oresundskraft社の広報担当、ゴラン・スコウグルンド氏は言う。

スウェーデンが年間200万トンの廃棄物を焼却しているとすれば、それによって約67万トンの燃料油に相当するエネルギーが生み出されていることになる。逆に言うと、前述の地域暖房ネットワークをWTEなしで稼働させるには、それだけの燃料油を購入する必要があるということだ。


ファボーナのWTEプラントで、包装されて焼却を待つゴミ。

だが、同国のシステムに批判的な人々もいる。彼らは、汚染源や毒性物質を大気中に放出するという理由で、ゴミの焼却は環境に良くないと主張する。

ただし、スウェーデンでは、有害物質排出量の少ない制御された焼却法が採用されており、野外での焼却とは根本的に異なる(学術誌「Environmental Science and Technology」の調査によると、世界ではゴミの40%以上が焼却されているが、その大部分は焼却炉を用いずに野外で燃やされているという)。

スウェーデン環境保護局によれば、技術的進歩と排煙浄化装置の導入により、いまや大気中に放出されるダイオキシンの量は「ごく微量」だという。

ただし、新たに焼却炉を建設するのに要する費用は、まだかなり高価であり、財政の豊かではない地方自治体には手が届かないかもしれない(これらの価格は、環境汚染物質のダイオキシンを含む灰と排煙の浄化技術によっても異なってくる)。

環境汚染の懸念以外にも、焼却による廃棄物処理は、再利用やリサイクルの促進を妨げるという問題点が指摘されている。また、タイルや断熱材、アスベスト、その他の建築資材や解体廃材、あるいはそれらを含むゴミは安全に焼却することができず、処理場に埋めるしかない。

しかし、グリプウェル氏はカナダ版ハフポストに対し、スウェーデンの廃棄物処理システムは、数十年前から始まり、いまや社会にしっかりと根付いていると説明した。「スウェーデンは1970年代から、廃棄物の取り扱いについて、かなり厳しい規則を導入してきた。それは一般家庭はもちろん、地方自治体や企業にもより大きな責任を課すものだった」と同氏は語っている。

なお、東京都環境局の調査によれば、都内の再生可能エネルギーのうち約半分が廃棄物発電によって作られている。東京23区の清掃工場20か所すべてに発電設備があり、年間に約10億kWhを発電している。これは東京電力が関東全域で販売する電力量の3.5%に相当する規模で、東京都は売電によって年間に60億円を稼いでいる

文末スライドショーでは、「ジェット機の翼などを再利用した家」や「巨大水タンクを利用したタウンハウス」「海の要塞を利用したリゾート施設」など、「リサイクル素材による建物」が紹介されている。

[Zi-Ann Lum(English) 日本語版:水書健司、合原弘子/ガリレオ]

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