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オバマ大統領、内外で政治リスクに直面【アメリカのシリア空爆】

2014年09月24日 16時40分 JST | 更新 2014年09月24日 16時40分 JST
Reuters

[国連/ワシントン 23日 ロイター] - イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」のシリア側拠点への空爆実施を発表したオバマ米大統領は、国内的も国際的にも政治的に大きなリスクに直面している。

オバマ大統領はクリントン元大統領が立ち上げた国際会議であいさつした際には、クリントン氏の娘の出産予定が近いことに絡んでジョークを飛ばし、リラックスした様子だった。大統領にジョークを話す余裕があったのは、空爆にペルシャ湾岸5カ国の参加を取り付けたからだ。国連での会合のためニューヨークに赴いた大統領の最初の仕事は、これら湾岸5カ国の代表に個人的に感謝を伝えることだった。

しかしすべてが円滑に進まなければ、民主党の上院での過半数維持が危うい中間選挙が近づくにつれて、今度の戦争は大統領と民主党にとって厄介な事になるだろう。

反戦の立場の民主党員は11月の議会選で投票する熱気を削がれそうだ。また今回の計画で何か問題が生じれば、現在40%近辺で推移しているオバマ大統領の支持率はさらに下がり、小さな失策も逃すまいと身構えている共和党を勢いづかせる可能性がある。

少なくとも最初の時点でみると、オバマ大統領と民主党は空爆実施で得点を稼いだ。世論調査は、大統領がイスラム国のメンバーによる米国人ジャーナリスト2人の殺害に対して報復を行ったことに米国民の間に一定の支持があることを示す見込みだ。

ただ、調査会社ギャラップの編集責任者フランク・ニューポート氏は、今月20、21日の調査では軍事行動への支持が過半数に達したが、このことが大統領の支持率上昇につながるかはまだ分からないとした。

ロイターとイプソスが12日に公表した調査によると、米国民は空爆を支持していたが戦闘の長期化には消極的だ。この調査では戦闘支持は64%で反対は21%、「分からない」は16%だった。

大統領は議会との関係でも困難に直面しそうだ。議会は先週、イスラム国の壊滅を目指す大統領の包括戦略を可決したが、この中には大統領への戦闘の全権委任は含まれず、シリア反政府勢力への武器供与などに限って2カ月だけ認めた。議会は中間選挙後にこの問題を採り上げるだろう。

アメリカン大学国際関係大学院のジェームズ・ゴールドガイガー学部長は「オバマ氏は戦争開始ではなく戦争終結を基盤にして大統領になった。リスクが高いのは間違いないが、何か行動することへの支持はある。今後の展開次第の面が大きい」と話す。

大統領はイスラム国への攻撃を進めた後、シリアのアサド大統領の介入を食い止め、中東問題で慎重に事を成すべく交渉を進めるという困難も背負う。またイラクのアバディ首相にスンニ派を加えた政権を樹立させることも必要だが、最も重要なのはシリアの反政府勢力が、空爆でイスラム国を排除した地域を維持できるようにすることだ。

(Steve Holland、Roberta Rampton記者)

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