アメリカのネット利用者、4分の1が「荒らし」をしたことがある(調査結果)

インターネット上の悪意の実態を明らかにするオンライン調査で、ネットに投稿をしたことがある人のうち4分の1が「見ず知らずの人間を標的とした悪意のある行為」をしたことがあると回答した。
Paul Bradbury via Getty Images

国際市場調査会社YouGov社は、アメリカに住む成人1125人を対象に、インターネット上の「悪意」の実態を明らかにするオンライン調査を行った。

この調査結果によると、アメリカで人気の掲示板「Reddit」や「YouTube」、個人ブログなどのコメント欄で、「見ず知らずの人間を標的とした悪意のある行為」を「少なくとも週に1回は目撃する」と回答した人は、39%から45%に上っている。

また、「見ず知らずの人間を標的とした悪意のある行為」を自ら行ったことがあると回答した人の率も高い。「ネットに投稿をしたことがある」と答えた回答者のうち約4分の1が、「見ず知らずの人間を標的とした悪意のある行為」をしたことがあると答えたという。

具体的には、知らない相手をからかったり、不快にさせることを目的として故意の挑発的あるいは扇動的なコメントを投稿したりといった行為だ。

ネット上の知らない相手と、「特定の意見について悪意を持って議論した経験」や、「特定の事実について悪意を持って議論した経験」があると回答した人は、共に23%に上った。「管理人によって行き過ぎたと判断され、投稿を削除された」ことがあると認めた人も12%いた。

こうした悪意ある行為は、ネット上では、「荒らし(英語ではトロール)」と呼ばれる。故意に挑発的で攻撃的な発言を行い、ほかの人を不愉快な気持ちにさせる行為を表すネットスラングだ。

YouGovの調査によると、ネット上で荒らしを行ったと認めた人の大半は男性であり、大多数が若者だという。20代および30代前半の人たちがこうした行為を行う傾向の強さは、55歳以上の人たちの2倍だ。

ただ、彼らは、自分が荒らしを行っていることすら自覚していないのかもしれない。YouGovが行った調査の参加者の55%が、「トロール」という用語を聞いたことがないと回答したという。

ネット上の荒らしや脅迫行為が深刻化している現状を受け、ユーザーがコメントを投稿する際に、実名の使用を義務づけるウェブサイトが増えている。今回の調査に答えた人の77%も、「人は匿名性を与えられると、荒らしを行う傾向が強くなる」と考えている。

また、ニューヨーク・タイムズ紙の記事によると、RedditやYouTubeなどでは、荒らし行為を食い止めるための対策として、投稿されたコメントに対してユーザーが評価を投票できるようにし、「高く評価」を得たコメントが上へ移動し、「低く評価」を得たコメントは下へ移動する仕組みを採用している。

ただし、荒らしに対する最も効果的な方法は、無視することかもしれない。少なくともYouGovの調査によれば、最も効果的な戦術としてこの方法を選択した回答者の割合は37%だったという。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:丸山佳伸、合原弘子/ガリレオ]

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