タクシン元首相、中国でパンダと記念写真 タイ軍政は神経とがらせる

タイのタクシン元首相らが中国でパンダと一緒に撮影した写真がネット上で広まり、タイのメディアが大々的に報じた。タイ軍主導の暫定政権は神経をとがらせている。

中国・四川省成都の動物園でパンダと一緒に写真撮影する、タイのインラック・シナワット前首相(左)と実兄のタクシン・シナワット元首相(中央)、インラック氏の息子。Facebookのインラック氏のページより=2014年10月30日撮影(c)Facebook Page

タイの2006年の軍事クーデター以降、事実上の海外亡命生活を送っているタクシン元首相と実妹のインラック前首相が、中国でパンダと一緒に撮影した写真がFacebook上で広まり、タイのメディアが大々的に報じた。これを受けてタイ軍主導の暫定政権は、国内メディアに対して11月3日、タクシン元首相に関する「ニュースの掲示」を止めなければ規制を強化するとけん制するなど、神経をとがらせている。

タクシン、インラックの両氏が中国でパンダの赤ちゃんと戯れる記念写真が10月30日、インラック氏のFacebookページに掲載され、これまでこの投稿に28万件を超える「いいね」が集まっている。中国新華ニュースによると、両氏は10月25日に中国入りし、雲南省、四川省、北京などの観光名所を訪れたという。

インラック氏は2014年5月、権力を乱用したとして違憲判決を受け失脚した。その直後に軍がクーデターで全権を掌握し、現在は軍政統治機関「国家平和秩序評議会」(NCPO)が統治している

英字紙バンコク・ポストは、NCPOの議長を兼任するプラユット暫定首相は記者団に対し、タクシン氏について「誰もが知っているように彼は法を犯した人物だ」として、タクシン氏に関するニュースを報じないよう求めたと報じた。軍政はこれまで、すでにタイ全土で戒厳令を発令、メディアなどでの政治的議論を抑圧しており、プラユット氏は「止めてもらえなければ、圧力を掛けざるを得なくなってしう」と語り、メディア規制を強化するほか、法律や武力解決に訴える可能性もあると警告している。

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