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解散総選挙、なぜ「2014年末」という見方が広まったのか?

2014年11月11日 23時44分 JST | 更新 2014年11月11日 23時55分 JST
時事通信社

「安倍晋三首相が2014年内に衆院解散に踏み切るのでは」という見方が与党内で強まっている。安倍首相は10月11日、訪問先の北京での記者会見で解散のタイミングを問われた際に、「何ら決めていない。私自身、解散に言及したことは一度もない」と肯定も否定もしなかった

2012年に当選した衆院議員の任期は、2016年12月まで。解散さえなければ、あと2年間は身分が保障される流れとなっている。11月12日時点の自民党の衆院議員は294人。公明党の31人を加えれば325人で、衆院全体の3分の2を超える圧倒的な議席数を誇っている。

総選挙となれば、現在より目減りする可能性は高い。みすみす議席数を減らすのは暴挙にも見えるが、なぜあえて解散を選ぶのか。各社の報道を元に、安倍首相の真意を探ってみた。

■「消費税10%導入」を延期するかが焦点に

多くの社の報道で一致しているのは「消費税10%への引き上げを先送りにするため」という推測だ。

2015年10月に消費税率を現在の8%から10%に引き上げることは、2012年の3党合意で既定路線となっている。しかし、11月17日に発表される7~9月期の国内総生産(GDP)速報値の数値が悪いとみられている。そのため、安倍首相は消費税引き上げを先送りにして、景気回復を優先させること考えているという。産経ニュースでは、こう報じている。

消費税率の再引き上げの判断をめぐっては、10月末の日銀による追加金融緩和以降、好調に推移している日経平均株価の水準を背景に、政府与党内に再増税論が広がったが、円安による輸入価格の上昇で中小企業の業績や個人消費を圧迫しているとも指摘されている。

再増税に踏み切れば消費マインドをさらに冷え込ませ、結果として税収増につながらない可能性がある。首相は、政権の経済政策「アベノミクス」の波及効果をしぼませ、地方経済の再生にも逆行しかねないと判断した。

首相、12月衆院選の意向 消費再増税は1年半延期 - 産経ニュース 2014/11/12 05:47)

しかし、消費税率の引き上げを先送りするのなら粛々と進めてもいいはず。なぜ解散総選挙が必要なのか。与党内には麻生太郞財務相ら「予定通りに税率引き上げすべき」を主張する議員も多い。税率アップを先送りするためには法改正が必要なので、総選挙で民意を得て与党議員を説得するのが狙いだという報道も出ている。

過去に、消費税がらみの選挙で勝った政権はない。そこで首相は、再増税の判断を衆院選後に先送りし、アベノミクスの成果やさらなる景気対策を示した上で、消費税の是非を有権者に問う可能性が指摘される。選挙に勝てば信任が得られたとし、再増税の時期についてフリーハンドで臨める環境もできるからだ。

消費税再増税判断前に解散、12・21選挙か - 日刊スポーツ 2014/11/11 9:00)

■「最も議席を維持できるタイミング」という声も

2014年末に解散をしかける理由としては、野党の選挙準備が進んでいないという実態もある。NHKニュースによると、全国で295ある選挙区のうち、民主党が公認候補を内定したのは134と半分にも満たない。維新の党など、野党同士で候補者調整をするためだが、自民党が278の選挙区で内定していることとの差は歴然だ。

時事ドットコムによると、自民党幹部からは「野党の選挙準備が整っていない今が、最も議席を維持できるタイミング」との声が出ている。自民党が連立を組む公明党も、2015年4月の統一地方選への影響を2014年末の解散を容認する意向だという。

連立を組む公明党は、来年4月の統一地方選に近い時期や、集団的自衛権問題で与野党の対立が激化する来年通常国会後半のほか、16年夏の参院選とのダブル選は避けたい考えで、今年中の選挙は容認しているもようだ。

同党の山口那津男代表は11日の党幹部会で、年内の衆院解散・総選挙に備えるよう指示した。支持母体の創価学会も同日、東京都内で地方幹部を集めた会合を開き、「12月14日投開票」を念頭に準備に入る方針を確認した。

時事ドットコム:来週解散の流れ=「12月14日投票」軸-消費再増税、先送り濃厚・政局 2014/11/11 23:51)

政治評論家の浅川博忠氏は、スポニチの取材に対して「解散・総選挙は止められない流れだ」として、以下のようにコメントしている。

選挙の争点は見つからないが、消費税率10%への引き上げの是非を口実にするのではないか。自民党は前回ほどの大勝はできなくても、第一党のメンツを保てると読んでいるのだろう。

突風解散!?外遊中の安倍首相「12・14or21総選挙」検討開始 ― スポニチ 2014/11/12 05:30)

安倍政権では内閣改造の目玉だった、小渕優子氏と松島みどり氏が10月に辞任したばかりで、野党の追及も強まっている。四国新聞の記者コラムでは、「勢いづく野党に対する安倍晋三首相のブラフ(脅し)」という説も紹介しているが、はたして本当に2014年内の解散総選挙はあるのか。安倍首相の判断が注目されている。

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