プーチン大統領、習近平夫人に紳士らしい気遣い 映像は中国で検閲対象に(動画)

APECのイベントで、ロシアのプーチン大統領が自分のケープを中国のファーストレディ彭麗媛さんの肩にかけた行為が、彭さんの気を引こうとしたのではないかと中国のソーシャルメディアで話題になった。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、中国のファーストレディである彭麗媛さんの気を引こうとしたのではないか、と中国のソーシャルメディアで話題になったが、その映像はすぐに検閲の対象になった模様だ。

北京で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議の一環として、11月10日(現地時間)の夜に開かれたイベントにおいて、プーチン大統領は、大勢のテレビカメラが見つめている前で、自分のショールを彭さんの肩にかけた(そのとき、夫である習近平中国国家主席は、アメリカのバラク・オバマ大統領と会話をしていた)。

中国の国営テレビ「CCTV」によって捉えられたこのシーン(文末に掲載)は、中国のニュースサイトやソーシャルメディアを駆け巡った。「プーチン氏が自分のコートを彭さんに渡した」というような意味のハッシュタグまで登場した、と「フォーリン・ポリシー」は報じている

中国のほかのソーシャルメディアでも、この行為をそうした視点で見たものがあり、CNNによれば、「中国のファーストレディの圧倒的な魅力が、プーチン氏を魅了」というような投稿もあったという(彭麗媛さんは51歳。もともと中国の軍隊歌手としてスター的な存在であり、現在もコンサートに登場している)。

だが、問題のシーンは中国のインターネットからすぐに消されてしまったと、CNNは報じている

現在は、このビデオやハッシュタグを、中国版Twitterである「新浪微博」や、メッセージングサービスの「微信」で探しても、わずかなコメントとリンク切れ画面しか出てこなくなった。そのためネットユーザーらは、中国のインターネット警察が、この話題が共有されることは危険が大きすぎると判断したのだと推測している。

フォーリン・ポリシーの記事によれば、プーチン大統領の行為が中国の視聴者にとって不適切とみなされる理由はいくつか考えられるという。中国の首脳らのメディアへの露出は、もともと国営メディアやネット検閲機関によって厳重にコントロールされているだけではない。習国家主席が最近行っている腐敗官僚や政治家の取り締まりでは、「不貞行為」もターゲットとなっており、そうした行為は腐敗につながりやすいと考えられているようだ。さらに、ロシアと中国の関係が発展している中で、スキャンダルになりかねない話はとりわけ歓迎されない。

ただし今回の出来事は、スキャンダルと呼ばれるほどのことではない。彭さんはショールをかけてもらったことに頭を下げて謝意を示したが、すぐにショールを取り、付き人が用意していたコートを着た。

一方、プーチン大統領の行為には、良きロシア人としての振る舞い以上の意味はないとして、同氏を擁護する意見もある。

「品格のある男性が公の場で女性を気遣うというのはロシアの伝統だ。ロシアのような寒い国では、女性がコートを着たり脱いだりするのを紳士は手助けしなければならないというのが、ごく普通の考え方だ」と、上海外国語大学でロシアおよび中央アジア地域研究の責任者を務めるリー・シン氏は、イギリスの「ガーディアン」紙に対して述べている

文末のスライドショーでは、モスクワの「愛国的な」バイク・ライダー集団「夜の狼たち」と共にいるプーチン大統領の姿を紹介している。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:佐藤卓/ガリレオ]

Putin And The Night Wolves

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