ヘンリー王子が自らの"秘密"を告白 なぜ?

写真が流出したわけでも、タブロイド紙がスクープを報じたわけでもないが、世界は12月1日、イギリス王室のヘンリー王子の、とてもプライベートな事柄を知ることになった。

写真が流出したわけでも、タブロイド紙がスクープを報じたわけでもないが、世界は12月1日、イギリス王室のヘンリー王子の、とてもプライベートな事柄を知ることになった。

ヘンリー王子は、「Feel No Shame」(恥じることはない)というキャンペーンで、自身の秘密を明かすことにしたのだ。このキャンペーンは、12月1日の「世界エイズデー」を記念し、またエイズを取り巻く偏見を一掃するために、自らが立ち上げたものだ。

このキャンペーンの狙いは、著名人やキャンペーン賛同者らが自分の秘密を告白することで、より多くのHIV患者が、自分の状態を自ら明かせるようにすることだ。

「私は、観衆や聴衆が大勢いるかいないかに関係なく、人前で話す前は、信じられないほど緊張します」と、ヘンリー王子はYouTubeに投稿した動画の中で述べている。「私はいつも笑ったり冗談を飛ばしたりしていますが、人々であふれかえった部屋にスーツを着て入ろうとすると、実際には気がかりなことがなくても、ものすごく緊張してしまうのです」

いつもは私生活を秘密にしておこうとするヘンリー王子だが、自身が解決に取り組んでいるエイズ危機に人々の注意を向けられるのなら、自分の弱さを告白することは価値のある行為だったのだ。

ヘンリー王子が共同設立者でもある慈善団体「サンタバリー」も、このキャンペーンを支援している。同団体は、HIVとともに生きる14歳未満の子供たちが3万7000人以上いるレソトで、十分なケアを受けていない子供たちの支援に取り組んでいる。HIVはすでによくある問題となっているにもかかわらず、多くの子供たちは、自分たちに向けられる偏見の大きさを恐れて、自分のHIV感染を明かすことを嫌がっているのだという。

「私たちは世界エイズデーを、誰もが自分の秘密を恥じる必要が一切ない1日に変えようとしています」と、ヘンリー王子は動画の中で語っている。「共に力を合わせれば、HIVを取り巻く偏見と闘い、HIVに感染している若者たちに、彼らにふさわしい子供時代を過ごしてもらうことができます。私たちの多くにとっては、ごく当たり前であるような子供時代です」

ヘンリー王子に、女優のジェマ・アータートンさんや歌手のニコール・シャージンガーさんら、数多くの著名人が加わった。彼らも自分の秘密を告白して、偏見を打ち破る手助けをしたのだ。著名人たちの動画はサイトで見ることができる。

サンタバリーは、ヘンリー王子とレソト王室のセーイソ王子が2006年に設立した慈善団体。サンタバリーという言葉は、レソトの公用語で「私のことを忘れないで」という意味をもつ。レソトは国民の約1/4がHIV感染者とされ、1990年には220万人あった人口が、2006年には180万人と激減。平均寿命は60歳から35歳と、成人死亡率が世界でもっとも高い国となっている(WHO2013年統計)。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:佐藤卓、合原弘子/ガリレオ]

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