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エコキュートの低周波音で不眠 「健康への影響、可能性ある」

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エコキュートの低周波音「健康への影響、可能性ある」

暮らしに関わる事故の原因を調べる消費者安全調査委員会(消費者事故調、畑村洋太郎委員長)は19日、省エネ型給湯器「エコキュート」から出る低周波音の健康への影響について調査報告書を公表した。因果関係は断定しなかったが、「(不眠などの)健康症状の発生に関与している可能性がある」と言及。経済産業省などに対策を講じるよう求めた。

消費者事故調は、群馬県高崎市の夫婦からの申し出を受け2012年11月から調査。夫婦は隣家のエコキュートから出る低周波音で不眠や頭痛の症状が出たと訴えていた。

エコキュートやエアコン室外機の運転音には周波数が100ヘルツ以下で、音が小さいと聞こえない人もいる低周波音が含まれることが分かっている。消費者事故調は、エコキュートの運転音が健康に影響したと訴える100人へのアンケートや、群馬県の例のほか苦情があった18例の現地調査などを実施。その結果、エコキュートからの距離と症状の程度に関連があることなどから、低周波音の健康への影響が「否定できない」と結論づけた。ただ、消費者庁の小堀厚司・事故調査室長は「低周波音の健康への影響は学術的に評価が定まっていない」という。

メーカーなどの業界団体「日本冷凍空調工業会」は、①隣家の寝室の近くは避ける②周囲に極力スペースを設け壁や塀で音が反射しないようにする、などの騒音防止策を示したガイドブックを作成している。報告書はこのガイドブックの普及が不十分だとして、経産省にメーカーへの指導などを求めた。

また報告書は、低周波音の苦情を判断する目安として環境省が04年に示した「参照値」に言及。それ以下であっても慎重な判断が必要な場合があることを周知するよう同省に求めた。

消費者事故調がこれまで調査対象にしたのは9件。報告書の公表は今回で3件目。エレベーター事故など5件は調査中で、1件は他省庁の報告書を評価しただけで独自調査はしていない。

     ◇

〈エコキュート〉 空気中の熱を集めて使う「ヒートポンプ」という技術で湯を沸かす電気給湯器の愛称。安い夜間電力を主に使い、内部の冷媒の二酸化炭素を圧縮する時などに数時間程度、低周波音を出す。省エネ性に優れ、経済産業省が補助金などで導入を後押しした。

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増えるエコキュート、近隣トラブルに 多くは隣家が設置

家庭用エコキュートの国内累計出荷台数は少なくとも9社で計約450万台を超え、年間約50万台のペースで増えている。消費者庁が09年9月~今年2月に把握したエコキュートをめぐる健康被害相談112件のうち、約94%が隣家に置かれていた。近隣トラブルの原因になることも少なくない。

群馬県の夫婦は09年春以降、新築の隣家に設置されたエコキュートの「グーン」という低い音で不眠に悩まされるようになった。11年7月には、隣家を建てた住宅メーカーなどを相手取り損害賠償を求めて提訴し、2年4カ月後にメーカーなどの負担で電気温水器に替えることで和解が成立。ただ、和解条件では低周波音と症状の因果関係には触れられていない。

現在は症状が治まったという会社役員の夫(53)は「寝ることが闘いのような毎日だった。お隣さんとはいまも険悪な関係になっている」と話す。

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(朝日新聞社提供) 

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