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100年前の奇跡「クリスマス休戦」 第一次世界大戦中に敵同士がともに祝う(動画)

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2014年のクリスマスは、歴史的な「クリスマス休戦」から100年目にあたる。クリスマス休戦とは、第1次世界大戦の戦場で敵対していたドイツ軍とイギリス軍の兵士たちが、クリスマスの休日の前後に、数日間だけ休戦した出来事だ。

第1次世界大戦は、1914年7月に始まった。その年のクリスマス、数カ月にわたる戦闘を経て、戦いに疲れていた兵士たちは、双方の合意のもとで武器を置き、「中間地帯」を越えて、敵の兵士たちとプレゼントとして物資を交換したり、サッカーの親善試合をしたりしたのだ。

兵士たちはそうした場面を、故郷へ宛てた手紙に綴った。それらの手紙は現在、「1914年のクリスマス休戦」というサイトで公開されている。たとえばこんな手紙が紹介されている。

これ以上ないほど風変わりなクリスマスを過ごしました。塹壕の外の世界にいたのなら、きっとこんなクリスマスは過ごせなかっただろうと思っています。クリスマスイブはずっと、いつもどおりの銃撃戦が、夜のあいだも相変わらず続いていました。ところが、明るくなり始めてすぐに、双方の銃撃が少しずつおさまっていき、日の出までにはすっかりやんでしまったのです。

そのまったくの沈黙は、とても奇妙なものでした。「この双方による合意が、全面的な休戦に変わるのではないか」と考えずにはいられませんでした。そして、本当にそうなったのです。宙を飛び交う銃弾がなくなったことに勇気づけられて、どちらの側でも、すぐに兵士たちがぴょこっと頭を出しはじめ……

この休戦はクリスマスのあいだ終日保たれ、一部では新年まで続いたところもある。灯りの吊り下げられた小さなクリスマスツリーの列が塹壕を縁どり、放置されていた遺体は共同で埋葬された。兵士たちは、当時のローマ教皇ベネディクトゥス15世が数週間前に呼びかけたクリスマス休戦を実現させたのだ

クリスマス休戦は、1915年以降は軍司令部によって禁じられ、第1次世界大戦は、クリスマス休戦のあとも4年にわたって続いた。死者は1000万人以上とされ、さらに数千万人が負傷したり行方不明になったりしたとされている

それでも、戦争と社会不安の絶えない現代においても、100年前のクリスマス休戦は希望の光を放ち、人類の持つ可能性を思い出させてくれる。人間には「聖なる瞬間」に、互いの違いを受け入れ、武器を置き、手を携えられる力がある。その瞬間を永遠のものにすることも、きっとできるはずだ。

冒頭の動画は、クリスマス休戦の100周年を祝って、ユタ州にあるブリガムヤング大学(BYU)の学生グループが制作したもの。BYU男声合唱団の歌う「きよしこの夜」をバックに、1914年に撮られたオリジナル写真が掲載されている。この動画を公開した「フェイス・カウンツ」は宗教の枠を超えた組織で、全米カトリック司教協議会のほか、ユダヤ教団体のヒレル・インターナショナル、アメリカ人シーク教徒の弁護および教育のための基金(SALDEF)などの宗教団体が共同で後援している。

文末スライドショーは、英国軍とドイツ軍の兵士たちが、1914年のクリスマス休戦で行ったサッカーの親善試合を再現したもの。2014年12月20日、ベルギーで撮影された。12月中旬には、イングランド地方の兵営の町アルダーショットでも、同様の親善試合が再現されている

この記事はハフポストUS版に掲載されました。

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Christmas Truce Soccer Reenactment 2014
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[日本語版:梅田智世、合原弘子/ガリレオ]

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