あの人のことば

原発の新規受注「インドが有望、でもこのままでは難しい」 東芝社長が語る

2014年12月27日 23時20分 JST | 更新 2014年12月27日 23時20分 JST
Dan Bannister via Getty Images

[東京 26日 ロイター] - 東芝の田中久雄社長は26日、ロイターのインタビューで、2015年度中にNAND型フラッシュメモリーの新工場建設について判断する方針を明らかにした。

スマートフォンやデータセンター向けにフラッシュメモリーの需要が旺盛なため。17年度の稼働を目指す。建設候補地は海外も視野に入れる。

9月に四日市工場(三重県四日市市)の第5棟が全面稼働したばかりだが、来年には現行の能力が上限に達する見通し。四日市工場では、3次元(3D)メモリーの生産のため第2棟の建て替えも来夏に完了し、16年度にはフル稼働になる見通し。

新工場は、3Dメモリーの生産拠点としての活用を検討する。建設地は、四日市市内のほか、システムLSI(大規模集積回路)の生産工場がある岩手県北上市も候補。これに加えて田中社長は「海外も選択肢」と語った。

新工場の建設候補に海外を入れるのは、競合する韓国サムスン電子<005930.KS>が中国・西安にNANDメモリーの工場を保有しているため。田中社長は「リスクを分散しなければならない」と指摘。具体的な国や地域の候補は定まっていないが、「中国は考えていない。アジアになるかどうか。サムスンは米国にも工場を持っているので、いろいろ考えられる」などと述べた。

■原発受注でインドを注視

原発の新規受注案件はブルガリア、チェコ、カザフスタン、トルコのほか、「インドが有望」と語った。 ただ、インドには原子力損害賠償法があり、原発事故に際してメーカーが巨額の補償を負うリスクがあるため。「このままの状態では進出は難しい」と指摘した。

一方でインドでは、原発事故の保険基金を設立する構想が浮上している。田中社長は「この保険が本当にワークするのかをきちんと見極めたい。これがクリアされればインドに進出する」と述べた。

■ヘルスケアM&Aは16年度から

画像診断装置を中心とするヘルスケア事業は2017年度の売上高1兆円(14年度計画は4400億円)を目指す。これに向け、2015年度までは、新規事業を伸ばしていくことで売り上げを伸ばしていく方針だが、「2016年から真剣にM&A(合併・買収)を考える」とした。

M&Aとして考えられる対象について田中社長は「われわれが強いMRI(磁気共鳴画像装置)、CT(コンピュータ断層撮影装置)の分野か、病気を予防する分野だろう」と述べた。

(村井令二)